■妊娠した社員への気遣いがマタハラに?会社が見落としがちな落とし穴■
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「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!
発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年10月25日 Vol.6345
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■妊娠した社員への気遣いがマタハラに?会社が見落としがちな落とし穴■
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「妊娠した社員の体が心配なので、
負担の少ない仕事に変えました」

「ところが本人から、マタハラだと
抗議されてしまいました」
こんなことが起きたら、
経営者も総務担当者も戸惑いますよね。
社員を気遣ったつもりなのに、
なぜ問題になるのでしょうか。
実は、ここに大切な落とし穴があります。
■善意でもマタハラになることがある
ある会社で、女性社員が上司に
妊娠したことを報告しました。
上司は体調を心配して、
負担の少ない仕事に変更しました。
ところが、本人は不満でした。
「私は普通に働けます。
なぜ相談もなく仕事を変えるのですか?」
上司に悪気はありません。
しかし、妊娠したという理由だけで
本人の希望を確認せず、
一方的に仕事を変更することは、
問題になる可能性があります。
マタハラとは、妊娠や出産などを理由に、
女性社員の働く環境を悪くしたり、
不利益な扱いをしたりすることです。
■仕事を軽くすること自体が悪いの?
Q1.妊娠した社員の仕事を
軽くするとマタハラになりますか?
A.必ずしもそうではありません。
本人から軽い仕事への変更を
求められた場合には、
会社として対応する必要があります。
また、医師から仕事の制限について
指導を受けている場合も、
必要な措置を検討しなければなりません。
大切なのは、妊娠したというだけで、
会社が勝手に判断しないことです。
■本人が普通に働けると言ったら?
Q2.本人が「これまでどおり働けます」
と言った場合はどうすればよいですか?
A.まず本人の希望を確認し、
仕事内容や体調について
話し合うとよいでしょう。
妊娠前と変わらず働ける状態なのに、
妊娠だけを理由として仕事を
一方的に取り上げることは避けたいものです。
一方、安全面で配慮が必要な場合は、
その理由を丁寧に説明し、
適切な対応を考えることが大切です。
■仕事を変えるときは降格にも注意
さらに注意したいのが、
役職や賃金の取り扱いです。
例えば、管理職の女性社員が妊娠し、
負担の少ない業務に変更したとします。
その際、会社が本人の十分な理解を得ず、
管理職から降格させてしまうと、
大きな問題になる可能性があります。
原則として、妊娠や出産などを
理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。
業務変更が必要な場合でも、
役職や賃金への影響を含め、
慎重に判断する必要があります。
■本人が希望すれば変更してよい?
Q3.本人と相談して合意すれば、
どんな変更でも問題ありませんか?
A.合意があれば必ず問題ない、
というわけではありません。
本人が不利益の内容を理解し、
自由な意思で判断できているか、
業務上の必要性があるかなども重要です。
会社の説明不足や、一方的な決定は
トラブルの原因になりかねません。
■ワンポイントアドバイス
妊娠した社員から報告を受けたら、
まず次の3点を確認しましょう。
・本人はどんな働き方を希望しているか
・医師から仕事に関する指導があるか
・業務変更による賃金や役職への影響はないか
話し合った内容は、
簡単な記録に残しておくと安心です。
■大切なのは気遣いよりも対話
妊娠した社員を気遣うことは、
もちろん大切です。
しかし、会社が良かれと思っても、
本人には望まない対応かもしれません。
「体が心配だから仕事を減らします」
と一方的に決めるのではなく、
「何か配慮してほしいことはありますか?」
と尋ねることから始めてみましょう。
社員の希望を尊重しながら、
必要な健康・安全への配慮も行う。
その両方を大切にすることが、
働きやすい職場づくりにつながります。
皆さんの会社でも、妊娠した社員への
対応方法を一度確認してみてはいかがでしょうか。
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