【解雇】普通解雇はどのような手順でするか

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年9月30日号   VOL.1270
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返品対応する店員がいきなりレシート確認するのはタブー

(続きは編集後記で)

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【解雇】普通解雇はどのような手順でするか
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   Aさんについて相談です。

中川:はい、なんでしょう?

社長:Aさんは当社に向かない人材です。
   だから解雇したいのです。

中川:どんなことが理由ですか?

社長:教えたことを覚えないのです。
   やる気がないとしか思えません。

中川:教え方が悪いのではありませんか?

社長:同じミスをするのでそのたびに再教育をしています。

中川:他には?

社長:報告をしないのです。
   作業が終了したら上司に報告するのは当然なのに
   聞くまで黙っているのです。

中川:それは困った人ですね。

社長:仕事が遅いのです。
   周囲に迷惑をかけっぱなしです。
   言い出したらキリがありません。

中川:それなら解雇したくなりますね。

社長:でしょう!
   解雇して問題ないですか?

中川:重大な理由ではないので訴訟になったら会社が負ける可能性が
   高いです。

社長:どうすればいいですか?

中川:事実の積み重ねをしましょう。
   作業ミスや報告忘れ、日報の書き方などの指導をした場合
   は、その都度指導記録票に記入しておきます。

   もし、懲戒処分に該当する場合は懲戒処分通知書や
   本人が書いた始末書なども証拠とします。

社長:懲戒処分をしたことがありません。

中川:就業規則違反であれば懲戒処分をすべきです。
   上司の命令にもかかわらず報告をしない場合は
   業務命令違反です。

社長:当社は甘いですね。

中川:従業員はちゃんとした労働を提供する義務があります。
   その義務を怠った場合は毅然とした姿勢で望むべきです。

社長:つまり、Aさんを指導した内容や懲戒処分をした記録を
   積み重ねることなのですね。

中川:それが第一ステップです。
   記録した書類を本人に提示し、退職について話し合います。

社長:証拠があるとAさんは退職を考えてくれるでしょうね。

中川:Aさんが退職届を出してくれるのがベストです。

社長:どうしてですか?

中川:解雇はもめる可能性が高いからです。

社長:Aさんが退職願を出さない場合は?

中川:就業規則の解雇条項を適用して解雇します。
   たぶん、Aさんは解雇されるくらいなら退職届を出した
   ほうがましだと考えるでしょう。

社長:分かりました。
   過去の事例で思い出せる範囲で指導した内容を記録します。
   今後は指導した都度記録を上司に書かせます。
   懲戒処分に該当する場合は懲戒します。

中川:懲戒処分をいままでやっていなかったのですから、
   Aさんは当然として全従業員にも今後は懲戒処分を厳正にする
   ことを周知しましょう。
   周知しないでいきなりやることは労務管理上好ましくありません。

社長:わかりました。

(中川コメント)

 解雇といえば懲戒解雇のイメージがあります。懲戒解雇は規律違反など
悪いことをした場合に行う処分です。
 能力不足などで解雇する場合は普通解雇となります。
普通解雇は就業規則にその基準が明記されていなければできません。
御社の就業規則は大丈夫ですか?

 

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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返品対応する店員がいきなりレシート確認するのはタブー

 スーパーマーケットの売り場で働いている店員は、返品処理にあたる場合
最大限の注意を求められる。

 店員がまず肝に銘じておくのが、返品に来る客というのは、店や商品に対
して何かしらの不満を持っているということだ。はなからマイナスのイ
メージを抱いている客への対応をひとつでも間違えたら、大きなクレームに
発展しかねない。

 返品処理のマニュアルでは、まずレシートを確認することから始めるのだ
が、これは大変危険なやり方だ。いきなり、「レシートを確認します」と一
言ってしまえば、客の気分を害する恐れがある。ただでさえイライラしてい
る客が、紋切り型にレシートを確認されたらさらに激高する可能性もある。

 まず来店のお礼を述べ、丁重に返品の理由を聞き出す。理由がわかったと
ころでお詫びをして、次に初めてレシートを確認するという手順がベストだ。
 この手順を守れば客もある程度落ち着いて対応してくれる。それに返品の
理由さえわかれば、他の商品を薦めることもできるのだ。

 ただ単に返品を受けつけて事務的に処理するか、客の話をまずじっくりと
聞いてからその後の購買につなげるか。店員の対応ひとつで売り上げが変
わってくるのである。

(「あの業界のタブー」より 青春出版 発行)

では、また明日お会いしましょう!!

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