【解雇】安易な妥協はしない

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2013年8月17日号   VOL.1599
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[マザー・テレサの名言|いま置かれたところで楽園を味わうことができる]

(続きは編集後記で)

 

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【解雇】安易な妥協はしない

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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   Aさんについて相談です。

中川:はい、何でしょうか?

社長:Aさんを1年前に管理職として採用しました。
   しかし、問題が多いので辞めてもらおうとしました。

中川:どんな問題があるのですか?

社長:管理職として失格です。
   定型業務をするだけでなのです。

中川:それを改めるように指導しましたか?

社長:指導しました。
   そしたらとたんに機嫌が悪くなり、数日は周囲がAさんの
   顔色を伺いながらという状態です。

中川:他には?

社長:社会保険事務所から現地調査があったときに、調査官に対して
   反抗的な話し方をして、調査官を怒らせました。

中川:うーん。

社長:当社は薬局を経営しています。
   薬局の入り口に、私に無断で「ただいまの待ち時間1時間以上です」
   と書いた張り紙をしたために、顧客の足が遠のき売上が下がりました。

中川:それは顧客のためには良いことでは?

社長:Aさんの本心は仕事を減らしたいからです。
   いつも張ってあったら好んで顧客は来ませんよ。
   私に相談があれば、他の方法で対応しています。
   無断で行ったのです。

中川:うーん。

社長:それから、待ち時間が1時間以上になることがあるのは
   人員不足が原因だと反論してきます。
   当社は人員不足は承知しており、募集をかけているのですが
   薬剤師の募集は売り手市場なので難しいのです。
   にもかかわらず、「2人以上人員補充をしなければ会社を辞める」
   と公言しています。

中川:そうですか。

社長:そのような公言をするので同僚に動揺を与えています。
   Aさんは困ったさんなのですが、給料を上げて欲しいと言ってきました。
   できの悪い管理職がよくそんなことが言えるものだとあきれます。

中川:いくら払っているのですか?

社長:年収で650万円くらいです。

中川:決して安くない年収ですね。
   管理職としては妥当な水準ですね。

社長:それで、給料をあげることは考えていないと伝えました。
   そうしたら、「では辞めるしかないですね」と言いました。
   私は「仕方がない」と答えたのです。

中川:Aさんは何と言いましたか?

社長:退職理由は会社都合にしてくれと言うのです。
   会社都合退職扱いにして円満に退職するのであれば、それでも
   いいかなと思っています。

中川:御社は雇用保険関係の助成金を受給しています。
   解雇あつかいにすると助成金の支給がストップしますよ。

社長:それはまずいです。

中川:そもそもAさんは管理職失格なのでしょう?
   懲戒解雇してもいいくらいですよ。

社長:私は甘いですか?

中川:あまちゃんです。

社長:NHKの朝ドラは楽しみにしています。

中川:出勤時間で見ることができないでしょう?

社長:録画しています。

中川:話が横にずれました。
   要するにAさんに対して厳しく臨むべきです。

社長:どうすればいいですか?

中川:懲戒解雇すればどうですか?

社長:しかし、懲戒解雇は難しいのでしょう?

中川:たしかに、いろいろ制約があり、日本では解雇はとても
   難しい状況です。
   しかし、目に余る行動があれば毅然として対応すべきです。
   会社都合退職は論外です。

社長:しかし、なかなか当社に来てくれる人がいなくて...。

中川:それはそうでしょうが、結果的にAさんが在籍していることで
   マイナスに働いています。

社長:分かりました。

(中川コメント)

 本日の記事は「個別労使紛争相談事例集」(保険六法新聞社刊)を
参考にしました。

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今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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[マザー・テレサの名言|いま置かれたところで楽園を味わうことができる]

 私たちは皆、神の楽園に憧れています。でもじつは私たちは、いま置かれ
たところで楽園を味わうことができるのです。

では、また明日お会いしましょう!!

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