【賃金】母の名義に給料の振り込みをしたい

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2013年11月20日号   VOL.1695
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大丈夫だと思っていた契約が土壇場でダメになった

(続きは編集後記で)

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【賃金】母の名義に給料の振り込みをしたい

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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   今日はA君のことで相談です。

中川:A君が何か悪いことでもしたのですか?

社長:逆です。
   親孝行者です。

中川:そうですか。
   で、御相談とは?

社長:A君が母親に仕送りをしたいが、給料の一部を母親の預金口座に
   振り込んで欲しいと言うのです。

中川:どうしてですか?

社長:振込の手続が面倒だし、仕送りをうっかり忘れてしまうことが
   あるので、給料振込で自動的に母親に仕送りをしたいというのです。
   いまどき、泣かせる話ですね。
   銀行振込は本人の同意があればよいということでしたね。
   本人の同意があれば、母親の口座に振り込むこともOKですか?

中川:OKといってあげたいところですが、違法になります。

社長:A君が同意してもですか?

中川:はい、本人の口座以外は絶対にダメです。

社長:なぜですか?

中川:労働基準法では賃金は現金で本人に直接渡さなければならないと
   明記されているからです。

社長:しかし、親子ですよ。

中川:親子であっても配偶者であってもダメです。
   昔、子どもが働いた給料を親が受け取ることをしていることが
   ありました。
   それで、親が子を食い物にしていることが少なからずあったので
   それを阻止するためです。

社長:へえ、そんなことがあったのですか。

中川:今は、インターネット経由でも銀行振込は可能な時代です。
   A君にはそれを利用するように説明をしたらいかがでしょう?

社長:わかりました。

 

(中川コメント)

 給料は直接本人に払う義務が会社にあります。他の人の口座に振り込む
ことは違法になります。
 

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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大丈夫だと思っていた契約が土壇場でダメになった

「先方の担当者が気分屋で」「あっちの業績が悪くて、契約ができないと
いいだして」...。言い訳は無眼にあることでしょう。しかし、契約はとれ
なければ最初から何もなかったも同じ。ジタパタせずに、力不足を自認す
ることができれば、成功への階段を上へと昇りはじめられるのです。

「大変申し訳ご、ざいません。○○社との契約ですが、私の力不足で成約
に至りませんでした」

「私の努力が至らず、契約が見送りになってしまいました。誠に申し訳ござ
いません」

(マンガでわかる「ものの言い方」便利帳 青春出版)

では、また明日お会いしましょう!!

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