【労務管理】給料が安くても転職する理由

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 【労務管理】給料が安くなっても転職する理由
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
中川:給料が安くなるが転職するという営業マンがいました。
社長:へえ、どうして転職するのですか?
中川:その営業マンは10年以上つきあいのあるディーラー勤務です。
   中川の車購入や修理などでお世話になりました。
   そのAさんが退職の挨拶に来訪しました。
社長:へえ、律儀な営業マンですね。
中川:なんどか車の故障で助けてもらったことがあります。
   やりて営業マンではないのですが、まじめに対応して
   くれていました。
   だから車を買い換えるときは他のメーカーのハイブリッド車に
   したかったのですが、がまんして普通の車種にしました。
   彼の営業成績が上がればと思い。
社長:ほう。そんなに親密だったのですか。
  
中川:ディーラーの営業マンは早期退職することが多いので
   彼が長続きしているのが不思議で、その理由を尋ねたことがあります。
社長:その理由は?
中川:いつ辞めようと毎年考えていました。
   しかし、もう一年だけ頑張ってみようと思いました。
   そうして気づけば10年が経っていました。
社長:ふーん、頑張り屋さんなのですね。
中川:スポーツをしていたそうです。
   その時の経験があったからそうやって自分を励まして
   きたそうです。
社長:それでなんで退職するのですか?
中川:自動車の将来性が心配だと。
   それにトップメーカーのディラーではないので
   販売に苦戦をしている。
   勤続13年ともなると販売ノルマもきつくなる。
社長:ふーん。
   でも、自動車がなくなるわけではないでしょう。
中川:これから10年先、20年先を考えたら
   状況が良くなると思えない。
社長:そんなことを言えば他の業種だってそうでしょう。
   なにか他に理由があるのでは?
中川:さすが、社長!
   実は奥さんにも原因があります。
社長:ふーん。
   奥さんですか...。
中川:ディラーの仕事は長時間が当たり前です。
   朝早く、帰宅が21時を過ぎることはざら。
   お客様のご依頼により休みだろうが夜中だろうが
   対応しなければなりません。
社長:奥さんはそれを承知で結婚したのではないですか?
中川:頭で理解することと実生活は違います。
   奥さんは子育てでストレスがたまり、怒りを
   Aさんにぶっつけだしたのです。
社長:育児は大変なんですね。
中川:Aさんは目覚めたと言います。
   たしかに、子供の顔をろくに見ていない。
   子育ては奥さんに任せっぱなし。
   子供とゆっくり遊んだ記憶がないと。
社長:ふーん。
   長時間労働は問題ですね。
中川:それで転職を決めたそうです。
社長:いまどきよく仕事が見つかりましたね。
中川:Aさんの誠実な人柄を見込んで声を掛けられたそうです。
社長:それは良かったですね。
中川:今度の就職先は老人ホーム施設です。
   介護はないので肉体的な負担は少ないようです。
   入居者とのふれあいが大切なので営業の経験が生かせる
   そうです。
  
   しかも、定時に帰宅できる。
   その分、給料はがた減りとなるが家庭を大切にする
   ことが大切だと思いますのでと語っていました。
社長:考えさせられました。
   長時間労働の社員をリストアップして面談をしてみます。
中川:さすが社長、行動が早いですね。
(中川コメント)
本日の記事は実話です。
ただし、Aさんの一方的な情報です。
経営者からみると偏向しているかもしれません。
でも、Aさんに似たような人は少なからずいると思います。
正面から従業員の労働時間について向かい合うことも必要と思います。