【賃金】銀行振り込みは違法です

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 【賃金】銀行振り込みは違法です
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   あのう、毎月の給料を銀行振り込みしていますが
   本当はダメなのだと聞きました。
   本当ですか?
中川:いいえ、ある条件が整えば銀行振り込みはOKですよ。
社長:整える条件は何ですか?
中川:そのまえに労働基準法はどうなっているかを押さえましょう。
   労基法では賃金は
   1.通貨で
   2.毎月
   3.全額
   4.直接本人に
   5.決まった日
   に払うこととあります。
社長:へえ、そんなことまで法律で決まっているですか。
   全額払うと言っても社会保険料や旅行積立金などを天引きしています。
   それは全額はらったことにならないのですか?
中川:社会保険のように法律で決まっているものは天引きOKです。
   それから旅行積立金のような任意の天引きは労使協定を
   結べばOKです。
社長:決まった日というのは毎月5日とか法律で決まっているのですか?
中川:それは会社で決めれば良いです。
   賃金支払日は会社によって様々ですね。
   よくあるのが20日締め切りの25日払いですね。
社長:それで、直接本人に渡さなければならないから銀行振り込みは
   違法ということですか?
中川:そのとおりです。
社長:でも、いまどき銀行振り込みをしていない会社はあるのですか?
中川:少ないですがあります。
社長:では銀行振り込みをしている会社が法律違反をしていることに
   なりますが、そんなバカなことはないしょう。
中川:そうです。
   それで条件が整えばと言いました。
   その条件とは本人が銀行振り込みを同意すればOKということです。
社長:ああ、なんだ。
中川:ああ何だと落ち着いていますが、本人の同意をとっていますか?
社長:それは総務に任せているのでわかりません。
   たぶん同意をとっていないでしょう。
中川:確認しましょう。
   原則として文書でもらいましょう。
社長:いまどき銀行振込に同意しない人はいないでしょう。
   形式的すぎませんか?
中川:そうかもしれません。
   しかし、本人の銀行口座を教えてもらわなければなりません。
   同意書を兼ねた書式で提出させればいいでしょう。
社長:なるほど。
   なにか様式がありますか?
中川:インターネットで検索するとあります。
   ご自分で作っても良いと思います。
社長:分かりました。
   もし、銀行振込を拒否された場合は現金で渡さなければなら
   ないのですか?
中川:そうです。
   それが法律の本来の姿です。
社長:一人だけ現金だと手間がかかり大変です。
   けしからんと思いますね。
中川:それから盗難の恐れもあります。
   だから、本人に同意してもらうように丁寧に説明をしましょう。
(中川コメント)
賃金は銀行振込が当たり前の時代になりました。
しかし、原則は現金で渡さなければならないことは知識として
もっておいた方が良いでしょう。
現金を支給しているずいぶん昔の話ですが、給料日に奥さんが会社に受取に
来たことがあります。
しかし、本人に直接渡さなければならないのでお帰りいただいた
ことがあります。