【資格取得】資格をとったら辞めた

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【資格取得】資格をとったら辞めた
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   A君には頭に来ました。
中川:なにがあったのですか?
社長:A君に大型トラックの免許を会社負担で取らせました。
   免許を取って半年経ったところで辞めると言うのです。
   定年まで働くといっていたのに約束が違うのです。
中川:退職理由は何ですか?
社長:どうやら運送会社に就職するともっとたくさんの給料が
   もらえるかららしいのです。
   当社は残業時間はそれほどないので給料が少ないのが不満のようです。
中川:ふーん。
   で、免許を取らせるときに何か約束をしましたか?
社長:当社で定年まで働くつもりだというので、
   全額会社負担で免許を取らせたのです。
   だから、全額費用を返還してもらおうと思います。
   しかし、それについては約束はしていません。
中川:どのくらいの費用ですか?
社長:30万円くらいです。
   本人の賃金は別にしても。
   本当に頭に来ます。
中川:業務命令ですか?
社長:そうですね。
   費用を全額負担しています。
   A君が辞めると分かっていたら免許は取らせません。
中川:それはそうですね。
   で、社内では免許を取って半年後に辞めた場合は
   費用を返還させるという規則はありますか?
社長:ありません。
   ひょっとしてそのような規則がないとダメなのですか?
中川:そうですね。
   今回はあきらめてください。
   本人に話をして本人が納得するのであれば返金OKですが。
社長:そうですね。
   きっちりとけじめをつけてもらいます。
中川:それで、半年間は勤務をしたのですから
   大型トラックの免許を取ったことにより会社への貢献も
   ありますので、一部返還で話をするのがいいでしょう。
社長:え?
   全額ではダメですか?
中川:本人が納得すればいいですが、
   会社も半年間は見返りを受けていますので
   全額はひどいかと思います。
社長:で、今後のこともあります。
   規則に書く必要がありますか?
中川:はい、資格規程を作成して明記しましょう。
社長:どんな内容がいいでしょう?
中川:たとえば、資格をとってすぐに辞めたら全額
   1年間勤務して辞めたら50%
   3年勤務したら返金しなくてもいいとか。
   
   たとえばの話です。
社長:そうですか。
   では、資格手当の作成の手伝いをしていただけますか?
中川:はい、よろこんで。
(中川コメント)
労基法でば賠償予定を禁止しています。
資格取得に伴う費用を一定の期間経過していない場合に
返金してもらうことはそれに触れる可能性があります。
形としては資格取得費用を会社が本人に貸し付ける。
貸し付けた費用は一定の期間が経過したら返金を免除するという
形がいいでしょう。
ただし、長期間の拘束はやめましょう。
法的には微妙です。
微妙という意味は資格規定で明記してあっても
裁判になったら勝つか負けるは分からないと言うことです。