【労務管理】私用メールの扱い

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 【労務管理】私用メールの扱い
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   社内でA主任とB子が不倫をしているというメールが
   出回りました。
中川:そうですか。
社長:発信源であるXに問いただしました。
   そしたら、「事実を書いただけです。ウソは書いていません」
   と言うのです。
   このような場合、どう対応したらいいですか?
中川:不倫をしていることは事実ですか?
社長:それは調査していないので分かりません。
   尾行してまで調べなければならないですか?
中川:それは不要です。
   仮に不倫が事実だったとします。
   だとしても、私的な行為なので、会社は関与できません。
社長:そういうことですか。
   不倫のことは横に置いておいて、Xが業務中に私的なメールを
   出すことについてはどうしたものでしょう?
中川:従業員は職務専念義務があります。
   当然、それに違反しています。
社長:では、懲戒処分をすべきですね。
中川:それが微妙です。
社長:といいますと?
中川:不倫についてはうわさ話ですよね。
社長:そうですね。
中川:いってみれば、雑談をしているわけです。
社長:雑談をすることは職務専念義務に違反するのではないですか?
   しかも、会社のパソコンを使っています。
中川:たしかに、雑談や私的メールは職務専念義務に反しています。
   で、現実は?
社長:現実といいますと・
中川:御社は始業時から終業時まで雑談を一切してはダメなのですか?
   雑談をしている人はいないのですか?
社長:ないことはない。
中川:程度の差があるでしょうが、雑談やうわさ話はしているでしょう。
   職種によっては、絶対に雑談をしてはいけないこともあるでしょう。
   しかし、御社の場合は、ある程度、雑談は許容される範囲です。
   雑談が行き過ぎたら注意すべきですが、雑談は潤滑油の
   役目もあります。
社長:では、どうしたらいいですか?
中川:Xさんにこのようなメールを書くことは控えるように注意
   しましょう。
社長:今後は一切私的メールは禁止すると言ってもよいでしょうか?
中川:そこまで厳密にするのはどうかと思います。
   不倫について、メールはダメで、雑談だったらいいのかとか
   拡大していき、収拾がつかなくなるおそれがあります。
社長:雑談や私的メールはある程度黙認しろということですか?
中川:そうです。
   今回の場合、会社の業務に支障がありません。
   もし、私的メールが原因で業務に支障があれば、厳重に注意をする
   あるいは懲戒処分をすることになります。
社長:わかりました。
(中川コメント)
従業員は職務専念義務があります。
したがって、雑談や私的メールの送受信などは許されません。
しかし、ごく限られた職種以外は、雑談や私的メールなどは
日常的です。
それらが、業務に支障きたすようであれば、禁止すべきですが
ちょっとでもダメというのは賛成しかねます。
それらは潤滑油になっているメリットもあるでしょう。
要するに程度の問題でしょう。