■「替えが利かない人」なら処分を軽くしてよい?■
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中小企業の人事・労務管理に役立つピカイチ情報
「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!
発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年8月12日 Vol.6521
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■優しい上司が部下の成長を止めることもある■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)
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■「替えが利かない人」なら処分を軽くしてよい?■
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「問題は大きい。でも、この人が抜けると
仕事が回らない」
ハラスメントが起きたとき、
経営者からこんな声が出ることがあります。
高い能力や専門性を持つ管理職ほど、
会社への影響を考えて迷いますよね。
しかし、懲戒処分は、起きた行為に対する
会社の判断です。
「会社に必要な人だから」という事情で
処分を軽くするのは、慎重に考える必要があります。
同じような行為には、同じ程度の処分を行う。
この公平さが、社員の納得感と
会社への信頼を支えるからです。
Q 過去と同じような事案なら、
必ず同じ処分にしなければなりませんか?
A 行為の内容だけで機械的に決めるのではなく、
まずは個別の事情を整理するとよいでしょう。
行為の悪質さ、回数、結果、動機や経緯、
本人の立場、業務への影響、反省の程度、
過去の処分歴などを確認します。
管理職であることは、会社や職場への影響が
大きくなりやすい事情の一つです。
一方、深く反省して降職を申し出ている、
被害を受けた人の処罰感情が強くないなど、
過去の事案と明確に異なる事情があれば、
処分を考える際の材料になり得ます。
Q 会社への貢献は考慮できないのでしょうか?
A 業務上のミスであれば、日頃の貢献が
判断材料になる余地もあるかもしれません。
しかし、ハラスメントは業務への貢献とは
別の問題です。
「能力が高い」「今すぐ代わる人がいない」
という理由で軽くするのは難しいと
考えておくのがよいでしょう。
では、現場ではどう考えるか。
ある会社では、重要な管理職を残すことが
事業を守る判断に見えるかもしれません。
ところが、処分を軽くしたことが伝われば、
「役職や能力で扱いが変わるのか」
「成果を出せば許されるのか」と、
社員が感じるおそれがあります。
その結果、職場の士気が下がり、
ルールが形だけになったり、
離職につながったりする可能性があります。
被害を受けた人の苦痛や不調が深まれば、
会社の対応について責任を問われる可能性も
あります。
さらに、今後、同様の行為をした社員を
重く処分したとき、不公平だとして
処分を争われる可能性もあります。
Q 処分を決める前に何を確認すべきですか?
A 「その人が必要か」ではなく、
過去の事案との違いを客観的に説明できるか、
という視点が大切です。
ワンポイントアドバイス
処分を決める会議では、
「人への評価」と「行為への評価」を
いったん分けて書き出してみましょう。
過去の事案と比べ、行為、結果、反省、
被害を受けた人への影響など、
違いを一項目ずつ確認します。
能力や役職を隠れた調整材料にしないことが、
判断のぶれを防ぐ小さな工夫です。
大切な人材だからこそ迷う。
それは経営者として自然なことです。
ただ、その場の事業運営だけでなく、
被害を受けた人と職場全体、
これからの会社への影響にも目を向けてみませんか。
うちの判断は誰にでも説明できるだろうか。
一度立ち止まり、静かに確かめてみましょう。
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【本からの気づきメモ】
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■優しい上司が部下の成長を止めることもある■
怒鳴ったり、厳しく詰めたりするのではなく、
部下の話を聞き、対話を重ねる上司が増えています。
一方で、「嫌われたくない」「ハラスメントが怖い」と、
必要な指導まで避けてしまうケースもあります。
さらに注意したいのが、良かれと思って行う配慮です。
育児中だから出張から外す、障害があるから難しい仕事を
任せないなど、本人に確認せず上司が決めてしまうと、
結果として成長や経験の機会を奪うことがあります。
大切なのは、まず部下に期待する水準を明確にすること。
そして配慮が必要かどうかは、本人に直接確認することです。
「任せたい仕事があるが、状況はどうですか」と聞き、
本人に選んでもらうことも一つの方法です。
本当の優しさとは、厳しさをなくすことではありません。
部下の今だけを見るのではなく、
その人の将来の成長まで考えることなのです。
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