■「給料はこれで十分」が通用しない?5年で約50万円上昇■

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「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年9月22日Vol.6562
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■営業秘密、秘密にしているだけでは守れない?■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)

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■「給料はこれで十分」が通用しない?5年で約50万円上昇■
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「うちの給料は、地域の中小企業と比べれば
それほど低くないと思うんだけど」

「でも、求人を出しても応募が少ないんです」

こんな会話をすることはありませんか?

人が集まらない、内定を辞退される、
せっかく採用しても辞めてしまう。

もちろん原因は給料だけではありません。
しかし、今の賃金相場を知っておくことは大切です。

そこで参考になるのが、
従業員300人未満の上場企業の年収です。

2025年度の平均年収を見ると、最も多い層は、
首都圏では600万円以上、東海圏と関西圏では
500万円以上となっています。

さらに注目したいのは、5年前との変化です。

地域ごとの平均値は2020年度と比べて、
おおむね50万円ほど上昇しています。

非上場の従業員300人未満の企業でも、
同じように賃金は上がっています。

東京都では平均年収が472万円から520万円へ、
愛知県では455万円から512万円へ、
大阪府では460万円から516万円へ上昇しています。

わずか5年間で50万円前後の上昇です。
以前の感覚のままでは、相場とのズレが
大きくなっている可能性があります。

Q
上場企業の給料なんて、うちには関係ないのでは?

A
同じ水準に合わせる必要はありません。

ただ、採用市場では求職者から比較される
相手になる可能性があります。

自社より少し条件のよい会社が、
どの程度の年収を出しているのか。

この視点で相場を見るとよいでしょう。

Q
では、給料を上げればよいのでしょうか?

A
ここは慎重に考えたいところです。

給料を上げるには、その原資となる利益も必要です。
給料だけを見て判断するのではなく、
会社の収益力と一緒に考えることが大切です。

従業員1人当たりの経常利益を見ると、
200万円未満の企業が、首都圏、東海圏、
関西圏のいずれでも40%を超えています。

一方で600万円以上の企業も20%を超えており、
会社によって収益力にかなり差があります。

では、現場ではどう考えるか。

「他社が上げたから、うちも上げよう」ではなく、
まず自社の年収水準と利益の両方を
確認するところから始めるとよいでしょう。

ワンポイントアドバイス

自社の平均年収を計算してみましょう。

基本給だけではなく、時間外手当や賞与も含めた
年間の給与総額で見ることがポイントです。

そして5年前の自社の数字とも比べてみます。

「世間では賃金が上がっているけれど、
うちはこの5年間でどのくらい上がったのか」

これだけでも、自社の現在地が見えてきます。

Q
賃金相場を見るとき、一番大切なことは何ですか?

A
平均額だけを見て、一喜一憂しないことです。

高い賃金を払っている会社には、
それを可能にする付加価値や収益力が
あるかもしれません。

「なぜ、この会社は高い給料を払えるのだろう?」

そこまで考えると、賃金相場の数字が
経営そのものを考える材料になります。

人材獲得競争が厳しくなる中、
昔の給料水準だけを基準にするのは危険です。

まずは自社の年収がこの5年間でどう変わったのか。
一度確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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【本からの気づきメモ】
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■営業秘密、秘密にしているだけでは守れない?■

会社の顧客情報が外部に漏れた疑いから、約3000万円の
損害賠償を求める裁判に発展したケースがありました。

不正競争防止法上の「営業秘密」と認められるには、情報が
有用で公然と知られていないだけでなく、秘密として管理
されていることも必要です。

この会社では、カレンダーアプリに製品の仕様や納期、金額、
請求書や発注書などを載せ、従業員同士で共有していました。
しかし、業務との関係が薄い人もグループに入っていました。

さらに、ログインの範囲や権限を設定する管理者機能がなく、
営業秘密を守るための従業員教育や明確な指示を示す証拠も
ありませんでした。

裁判所は、秘密として管理されているとはいえないと判断し、
会社側の請求を棄却。控訴審でも一審の判断が支持されました。
「秘密情報だから営業秘密」とは限らない点がポイントです。

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