【賃金】減給処分の額
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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳 2013年11月3日号 VOL.1678
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「アン・フェア!」な日本人
(続きは編集後記で)
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【賃金】減給処分の額
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中川 こんにちは。
社長 こんにちは。
今日はA君のことで相談します。
中川 はい、なんでしょうか?
社長 不注意で会社の車を大破させました。
中川 A君はケガはなかったのですか?
社長 はい、かすり傷もしていません。
中川 それはよかったですね。
社長 修理代に50万円かかりました。
それでなくても会社は儲かっていないのに...。
中川 そうですね。
社長 それで、懲戒処分をしようと思うのですが、
どうしたいいか教えてください。
中川 就業規則を拝見します。
ふーん。
「故意または重大な過失により、会社の車両を破損した場合」
は懲戒処分をすると書かれていますね。
社長 ああ、ありますね。
では、これに基づいて弁償してもらいます。
中川 あのう。
弁償ですか?
社長 当然でしょう。
本人の不注意で50万円も修理代がかかったのですから。
中川 あのう。
就業規則に書いてあるのは弁償ではありません。
悪いことをしたから罰するということです。
弁償は別の話です。
社長 ややこしい話はどうでもいいです。
とにかく、修理代を回収します。
中川 あのう。
それは無理です。
社長 はあ?
どうしてですか?
責任を取ってもらうことは当然でしょう?
中川 懲戒処分はやってはいけない行為をしたことにたいする
罰です。
社長 そうですか。
では、懲戒処分で50万円とします。
中川 50万円と言えば全額ですね。
使用者責任がありますので、全額は無理です。
社長 中川さん、今日は無理、無理とばかり言いますね。
ではどうしたらいいのですか?
中川 A君の月給はいくらですか?
社長 30万円です。
中川 本当は平均賃金というものを計算するのですが、
その平均賃金が30万円として説明します。
社長 なんだかややこしそうですね。
中川 30万円を30日で割ると1日1万円となります。
これがA君の1日分となります。
社長 中川さん、それはおかしい。
うちは月の出勤日数が21日です。
30日ではなく21日で1日を計算すると14,285円と
なりますが。
中川 労働基準法で定められている平均賃金は
歴日数で割るのです。
社長 歴日数ってなんですか?
中川 たとえば、2月は28日、3月は31日、4月は30日が
暦(こよみ)の日数ですね。
それを歴日数といいます。
社長 そうですか。
それでは1日1万円となりましたが、それをどうするのですか?
中川 A君の減給処分は最高でも1回5千円です。
社長 ええ!
冗談でしょう?
中川 いいえ。
労働基準法で1回の減額は最高1日分の半額までと定められて
いるのです。
社長 たった5千円では焼け石に水です。
中川 はい、これは弁償代ではありません。
くりかえしますが。
社長 もうちょっととれませんか?
中川 とれるとかの話ではありません。
法的には最高3万円までとなります。
社長 ええ?
半額を超えてもいいのですか?
中川 月の10分の1までは減給処分できるのです。
30万円の10分の1は3万円です。
しかし、それは別の懲戒処分を合わせた場合です。
今回の事故に対しては最大5000円です。
社長 うーん。
労働基準法には困ったものですね。
中川 でも、損害賠償をしてもらうのは別です。
いくらがいいかは、考えてもらうとして
本人に請求できます。
社長 えええと。
混乱してきました。
就業規則により懲戒処分をするのは1日の半分以下の減給。
それとは別に損害賠償を請求できる。
こういうことですか?
中川 そういうことです。
(中川コメント)
減給処分をする場合、1回の減給は平均賃金の1日分の半額を超えてはい
けません。
減給の総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えては
いけません。だたし、同一事由による場合は1日半分までで賃金総額の10分の1
は適用されません。
他の減給処分を合算した場合は最高10分の1ということです。
労働基準法は労働者を保護する目的で作られています。
過酷な減給処分で生活に大きな影響を与えないためです。
それとは別に損害賠償を請求することは可能ですが、
会社責任がありますので、穏やかな(請求しないか少額に止める)対処
がいいです。
今日はここまで。では、またあした。
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基本給連動型の退職金制度は、リスクが大き過ぎます。
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編集後記
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「アン・フェア!」な日本人
投資摩擦に先立って、貿易摩擦も起きていた。貿易摩擦の激化を予感した
のは、一九八四年夏に開いた次のジョークである。このジョークは当時の経
団連の会長も気にしていた。
連れ立ってアフリカへ出かけた日本人とアメリカ人が、車から離れたとき
に、運悪くライオンに出くわしてしまった。
急いで運動靴に履き替えはじめた日本人を見て、アメリカ人が言った。
「何をしているんだ。どうせ食われてしまうのに」
日本人が答えた。
「お前より先に食われないようにさ」
(世界ビジネスジョーク集 おおばともみつ著 中央公論新社刊より)
では、また明日お会いしましょう!!
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