【年休】年休取得を理由に賞与を減額できるか？

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る。
作者：　中川清徳 　2015年11月9日号   VOL.2457
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（続きは編集後記で）

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　【年休】年休取得を理由に賞与を減額できるか？
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中川　こんにちは。

社長　こんにちは。
　　　今日は年休と賞与の関係について質問します。

中川　はい、なんですか？

社長　年休をしっかり使う人がいます。
　　　全く使わない人がいます。

中川　そうですね。

社長　私は使ったことがありません。

中川　はあ？
　　　社長には年休はありませんよ。

社長　ジョークです。

中川　真剣な顔をするので...

社長　ココだけの話ですが、年休を使う人は貢献度が低いのです。
　　　年休を使わないでがんばっている人は貢献度が高いのです。

中川　その傾向はあるかもしれません。
　　　しかし、そう決めつけるわけにもいかないでしょう。

社長　たしかに、決めつけるわけにはいきません。
　　　しかし、仕事にたいする姿勢が熱心でない人が年休をとると、
　　　むしょうに腹が立つのです。

中川　年休を積極的に取らせる会社もまれにあります。
　　　しかし、多くの経営者の本音かもしれません。

社長　年休を使ったら、賞与を減額したいのですができますか？

中川　年休を取ったことを理由に賞与を減額することはできません。

社長　以前、中川さんは賞与は経営者がその支給をどうするかは
　　　自由に決められると言いましたよね？
　　　
中川　はい、そうです。
　　　しかし、年休をとることにより不利益な扱いをしてはならないと
　　　法律で定めてあります。

社長　言っていることが分かりません。

中川　賞与の支給方法を経営者が決めることは自由です。
　　　しかし、年休をとることにより賞与を減額することは、不利益を与える
　　　ことになるのでダメなのです。

社長　自由に決められるのですから、年休を取った人の賞与を減額することも
　　　自由ではありませんか？

中川　そうですね。
　　　賞与だけから見ると、自由に決められます。
　　　しかし、年休から見ると年休を取ったことにより不利益を与えることは
　　　できないとなっていますので、できないのです。

社長　では、年休以外の場合はいいのですか？

中川　たとえば、どのようなことですか？

社長　慶弔による特別休暇です。

中川　それはOKです。

社長　どうしてOKなのですか？
　　　うちは特別休暇も給料を支給しているので、年休と同じです。

中川　違います。
　　　特別休暇は会社が任意に定めることができます。
　　　しかし、年休は法律で決まっています。

社長　そういうことですか。

（中川コメント）

賞与は支給額、支給方法について法律では定めていないので会社が自由に
決めることができます。
ただし、年休の取得を理由に減額することは不利益となるのでダメです。
特別休暇を賞与査定で減額するという話は聞いたことがありませんが、
違法ではありません。

今日はここまで。では、またあした。

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　　　　編集後記 　　　　　
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