【無謀な人使いに今すぐ手をつけよう】

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2013年3月21日号   VOL.1448
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◆金の言葉

「笑顔は一ドルの元手もいらないが、百万ドルの価値を生み出す」
              デール・カーネギー

(続きは編集後記で)

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【無謀な人使いに今すぐ手をつけよう】

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恒例の川越さんのメルマガの全文転載です。

(引用開始)
 
 いつもお読みいただきありがとうございます。

さて、今朝の新聞に"南海トラフ地震"のことが
大きく取り上げられていました。

被害の見込み額が220兆円にもなるらしく、都府県
別で宮崎県は10番目に被害が大きいようです。
何らかの対策が必要でしょうが、個人レベルでは
何から手をつけていいのか...。

手をつけると言えば、労務においてもいろんなリス
クがあって何から始めればいいのか悩むところです。

大原則は、他のリスクと同じで致命傷になることか
ら手をつけることですが、今回はそのようなお話です。

 

【無謀な人使いに今すぐ手をつけよう】

 事業を行っていると様々なリスクがつきまとうが、
人使いについても例外ではない。
だから、想定される対策を打った上で、ある程度のリス
クは覚悟しておくことになる。

しかし、我流で何の対策もせず、いわゆる"やりっ放し"
と言うのはリスクと言うより無謀そのもので、目をつぶっ
て車を運転するようなものだ。

1.こんな働かせ方をしていたら
 最近はセクハラ・パワハラなども問題視されているが、
やはり一番大きなリスクは労働時間と給与だ。

1)年がら年中ダラダラ残業...朝は7時ごろから夜の
  10時ごろまで会社に拘束する。力仕事ではなくとも、
  これじゃ疲労が溜まり肝心の昼間に集中できない。
  集中できないからミスが起こり、その手直しで夜遅
  くまで残ると言う悪循環となる。そして、「どうせ
  帰れないから」と、最初から10時終業を目標にし
  てしまう。休みもあってもないようなもので、常時
  休日出勤が続く。

2)気分屋的な給与支払い...そもそもルールは社長の頭
  の中にあり、その時の気分によってころころ変わる。
  よく言えば機動性があるのだろうが、1年足らずで
  課長にしたかと思えば、一夜にしてヒラに戻された
  りと。そして、そのたびに給与が数万円単位で上が
  り下がりする。だから、従業員の関心ごとは社長の
  顔色をうかがうことが中心になってしまう。

3)日常的な押さえつけ...「誰のおかげで飯が食えてい
  るんだ!」「何が残業だ、ふざけんな!」「よそより
  高く出しているんだから余計なこと言わずに働け!」
  と暴言が飛ぶ。万一、意見しようものなら、さらに
  暴言はエスカレートし、ついには暴力まで至ること
  も珍しくない。また、難癖つけて給与の10%を一
  方的にカットされたりする有り様。
  

2.徐々に高まるリスク
 病気と同じで労使関係も徐々に悪くなっていく。
徐々にだから経営者は気づきにくいが、問題は突然やっ
てくる。

1)人が定着しない...労使関係が悪化している場合に出
  てくる症状は従業員の定着率低下だ。高卒者は3年
  以内に平均5割辞めるらしいが、仮に1年以内に5
  割辞めるような会社はかなり危ない。せっかく、採
  用しても穴の開いたバケツと同じで、いずれは、要
  領のいいイエスマン従業員だけの会社になってしまう。

2)膨大な含み損...仮に、月給25万円、1日平均5時間
  残業させていると、休日出勤はないとしても残業代
  の未払い額は次のようになる。
  ・25万円÷170×1.25×5時間×20日=約18万円
  給与の時効は2年間あるので、ざっと432万円だ。
  もちろん、この額は一人分であり、10人いたら
  4,320万円である。苦労して確保した利益は一瞬に
  して吹っ飛んでしまう。

3)過労死発生で会社は一巻の終わり...もちろん、2年
  分の残業代請求もきついが、まだ金で片が付く話だ。
  本当に怖いのは長時間労働など過重労働による死亡
  や自殺である。遺族からは「会社が殺した」となじ
  られ損害賠償請求は必至だ。また、労災死亡事故だ
  と、労働基準監督署も検察庁へ書類送検するし、裁
  判で有罪が確定すれば前科がつく。
  普通の会社は、これで一巻の終わりだ

3.だからこうしておこう
 せっかく築き上げてきた会社を守るポイントは、危険
なことから今すぐ手をつけることだ。

1)残業は36(サブロク)協定の範囲に収める...残業
  を合法的にさせるためには残業代を払うのは当然だが、
  その前提として労働基準監督署へ残業の許可書とも言う
  べき「36協定」の届出が必要だ。届出には法律の基
  準に基づき1日や1か月の残業時間の上限を届出るが、
  通常は1か月45時間である。この範囲の残業であれ
  ば、過労認定されることは少ない。

2)払える分だけ仕事をさせる...従業員を会社に長時間拘
  束することほど人件費の無駄遣いはない。その日に高
  い残業代まで払って残業させる価値のある
仕事か否か
  は、残業代を払う側の経営者が判断すべきだ。"あなた
  任せ"にしていると、無用な居残りにまで無駄な残業
  代を払わされることになる。レストランでお腹一杯な
  のに次から次に料理が運ばれてくるのを黙っているの
  と同じだ。

3)何もないうちに頭を下げる...労務のトラブルが大きく
  なる原因は、謝罪とお金を出すタイミングの見誤りが
  多い。今、問題が表面化していないのなら、今のうち
  に現状確認し問題点を把握したうえで、とりあえず謝
  罪してケリをつける。「これまで認識不足で問題点もあ
  った。これからは改善して、少しでも働きやすい会社
  にしていこうと思うので協力してほしい」と堂々と頭
  を下げる。経営者の堂々に従業員は弱い。
  気づいたときが吉日だ。

 税金は儲けた以上に取られることはないが、労務のトラ
ブルは人と人との争いでどろどろと際限がない。
苦労して築き上げた会社を一瞬にして潰す可能性もある。
だから、社長自身が問題点を認識し、問題が表面化しない
うちに危険なことから今すぐ手をつけておくべきなのだ。

 

※次回は【3か月間は人間関係づくり期間と心得よう】
 の予定です。

 

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(引用終わり)

 

(中川コメント)

 あなたの会社の残業時間はどうなっていますか?

 

今日はここまで。では、またあした。

 

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 解雇とか賃金の切り下げとか微妙な問題は、労働基準監督署に聞くわけに
もいかない。だいたい、俺は忙しいのだ。本を読んでいる暇はないし、
第一、資金繰りや営業のことで頭がいっぱいでそれどころではない。
誰か、いないのか?

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    編集後記      
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◆金の言葉

「笑顔は一ドルの元手もいらないが、百万ドルの価値を生み出す」
              デール・カーネギー

人の役に立つとか、人の相談に乗ってあげるというと、なんだか難しい
ことのように思ってしまいます。何も特別な能力がないからとか、お金
がないからとか、人にしてあげられるものがないと勝手に思い込んでい
るのです。実は、カーネギーが言うように、誰もが無限大に持っている
のに、なかなか与えないものがあります。それが「笑顔」です。とにか
くタダです。タダなんだから、惜しむことはありません。その上、与え
れば与えるほど、泉のように湧いてくる。「笑顔」っていうのは習慣に
なると、いつの間にか「そういう顔つき」に変身してしまうから不思議
です。いつも笑顔の人の周りには、笑顔の人たちが集まります。

(プチ紳士からの手紙より)

では、また明日お会いしましょう!!

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