【法令新着情報】介護保険法等の一部改正法案について

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 【法令新着情報】介護保険法等の一部改正法案について
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高齢者の自立支援と要介護状態の重度化防止、地域共生社会の
実現を図るとともに、制度の持続可能性を確保することに配慮
し、サービスを必要とする人に必要なサービスを提供するため、
一定以上の所得を有する要介護被保険者等の保険給付に係る
利用者負担の見直し並びに被用者保険等保険者に係る介護給付
費・地域支援事業支援納付金の額の算定に係る総報酬割の導入
等の法改正が行われます。
■介護保険法等の一部改正法案の概要
      
1.地域包括ケアシステムの深化・推進
 ◎自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化等の取組の
  推進(介護保険法)
   ・全市町村が保険者機能を発揮し、自立支援・重度化
        防止に向けて取り組む仕組みの制度化
   ・国から提供されたデータを分析の上、介護保険事業
        (支援)計画を策定。計画に介護予防・重度化防止等の
        取組内容と目標を記載
   ・都道府県による市町村に対する支援事業の創設・財政
        的インセンティブの付与の規定の整備
  (その他)
   ・地域包括支援センターの機能強化(市町村による評価の
    義務づけ等)
   ・居宅サービス事業者の指定等に対する保険者の関与強化
    (小規模多機能等を普及させる観点からの指定拒否の仕
    組み等の導入)
   ・認知症施策の推進《新オレンジプランの基本的な考え
    方(普及・啓発等の関連施策の総合的な推進)を制度上
    明確化》
 ◎医療・介護の連携の推進等(介護保険法、医療法)
  (1)「日常的な医学管理」や「看取り・ターミナル」等の機能
      と「生活施設」としての機能とを兼ね備えた、新たな介護
      保険施設を創設
    ※現行の介護療養病床の経過措置期間については、6年間 
     延長することとする。病院又は診療所から新施設に転換
       した場合には、転換前の病院又は診療所の名称を引き続
     き使用できることとする。
  (2)医療・介護の連携等に関し、都道府県による市町村に対す
     る必要な情報の提供その他の支援の規定を整備
 ◎地域共生社会の実現に向けた取組の推進等(社会福祉法、介護
   保険法、障害者総合支援法、児童福祉法)
 ・市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援
    体制作り、福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の
    策定の努力義務化
 ・高齢者と障害児者が同一事業所でサービスを受けやすくす
    るため、介護保険と障害福祉制度に新たに共生型サービス
    を位置付ける
  (その他)
 ・有料老人ホームの入居者保護のための施策の強化(事業停
    止命令の創設、前払金の保全措置の義務の対象拡大等)
 ・障害者支援施設等を退所して介護保険施設等に入所した場
    合の保険者の見直し(障害者支援施設等に入所する前の市町
    村を保険者とする。)
2.介護保険制度の持続可能性の確保
  (1)2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合を3割とする
     (介護保険法)
  (2)介護納付金への総報酬割の導入(介護保険法)
     ・各医療保険者が納付する介護納付金(40~64歳の保険料)
       について、被用者保険間では『総報酬割』(報酬額に比
       例した負担)とする。
※平成30年4月1日施行
  2(2)は平成29年8月分の介護納付金から適用、
  2(1)は平成30年8月1日施行
(中川コメント)
ご参考までに。