[今月の経営格言] リーダーには、組織が活性化しているかどうか

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳  2020年7月11日号 VOL.4551
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「ぽしゃる」「さぼる」はフランス語が語源 ホント? ウソ?
(続きは編集後記で)
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[今月の経営格言] リーダーには、組織が活性化しているかどうか
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◆今月の経営格言
「リーダーには、組織が活性化しているかどうか、
常に冷厳に見極める能力が要請される」
瀬戸雄三(元アサヒビール株式会社代表取締役社長)
出所:「月給取りになったらアカン」
(日本経済新聞出版社)
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冒頭の言葉は、
「リーダーは、組織の状態を
  常に的確に把握しなくてはならない」
ということを表しています。
1980年代半ば、アサヒビールの業績は、ライバル会社である麒
麟麦酒株式会社(以下「キリンビール」)やサッポロビール株
式会社に水をあけられ、シェアは大きく落ち込んでいました。
しかし、1987年に発売された新商品「アサヒスーパードライ
(以下「スーパードライ」)」によってこの状況が一変します。
スーパードライは、アサヒビールが消費者の嗜好を入念に調査
して開発した「キレのある辛口」が特徴のビールで、発売と同
時に爆発的な売れ行きを示しました。このスーパードライの大
ヒットにより、アサヒビールは大きくシェアを伸ばすことと
なりました。
ところが、やがてブームが沈静化すると、シェアの伸びにも陰
りがみえ始めてきます。瀬戸氏がアサヒビールの社長に就任し
たのは、まさにこうした状況下でした。
瀬戸氏は、当時のアサヒビールを「スーパードライの大ヒット
によって、組織の緊張感が緩んでしまっている」と判断し、打
開策を模索していました。その結果、思いついたのが「より新
鮮なビールを消費者に提供する」ということでした。
従来、スーパードライは、製造してから約20日で工場から出荷
されていましたが、瀬戸氏はこれを「工場出荷10日以内」に短
縮することを決定したのです。瀬戸氏はこの取り組みを
「フレッシュマネジメント活動」と名付け、製造から出荷まで
の工程を大幅に見直して短縮する委員会を立ち上げました。
とはいえ、工程の短縮にはさまざまな課題があり、容易ではあ
りません。このため、フレッシュマネジメントについて、社内
からは実現を危ぶむ声も聞かれました。これに対し、瀬戸氏は
消費者向けにフレッシュマネジメントの広告を打ち出しました。
消費者にアピールした以上、もう後へは引けません。これによ
り、社内の一体感が高まりました。そして、数々の困難があっ
たものの、全社が一丸となって取り組んだ結果、取り組みを開
始してから1年で「工場出荷10日以内」という目標を達成する
ことができました。
しかし、瀬戸氏の取り組みはそれに留まりませんでした。「工
場出荷10日以内」を達成した後、瀬戸氏はこれをさらに短縮し
て「製造後5日以内」とすることを目標としたのです。これは
前回以上に厳しい目標でしたが、再び全社が一丸となって取り
組んだことによって、取り組みを始めてから3年目にはついに
達成することができました(その後、日数は製造後3日以内に
まで短縮されています)。
こうした取り組みにより、スーパードライの味はさらに進化し
ました。このことが消費者にも大きく支持されてスーパードラ
イの売れ行きは伸び、1996年6月には単月の販売数量でキリンビ
ールの主力商品「ラガービール」を抜いてトップとなりました。
アサヒビールを立て直すに当たり、瀬戸氏は常に「リズム」を
重視しました。こまめに現場を回って部下たちの様子を肌で感
じ、現場が燃えているときに、そのリズムを加速させ、さらに
高い目標を掲げて部下を鼓舞しました。
瀬戸氏は、リーダーのあるべき姿について、
次のように述べています。
「人間は無限の能力を持っていると認識すべきだ。
 無限の能力を常に発揮できる環境をつくる。
 その能力を最大に引き出すのは、リーダーの大切な役割だ」
営業畑の出身である瀬戸氏は、支店長時代より、自らが率先し
て大口の取引先を開拓し、良いリズムをつくり上げることで支
店全体の雰囲気を高めていました。また、フレッシュマネジメ
ントにおいても、「工場出荷10日以内」という目標を達成した
リズムが失われないうちに「製造後5日以内」という新しい目
標を掲げ、これを達成させました。
組織は生き物であり、そのリズムはさまざまに変化します。経
営者はこのリズムの変化を見極め、活性化しているときにはそ
れをさらに加速させ、停滞している場合は自らがリズムを変え、
部下が最大のパフォーマンスを発揮できる環境をつくり出さな
くてはなりません。組織のリズムを的確に把握し、目標の達成
に活用する視点が、組織のリーダーたる経営者には求められる
のです。
【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本
稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになって
いる情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当
性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即
した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的
と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありま
せん。
【経歴】
せとゆうぞう(1930~2013)。兵庫県生まれ。慶應義塾大学卒。
1953年、朝日麦酒株式会社(現アサヒビール株式会社。本稿で
は「アサヒビール」)入社。1992年、代表取締役社長就任。
1999年、代表取締役会長就任。2002年、取締役相談役就任
(2003年より相談役)。
【参考文献】
「月給取りになったらアカン」
(瀬戸雄三、日本経済新聞出版社、2012年6月)
「逆境はこわくない 知恵をしぼり、
 汗をかけば、会社は必ず変わる」
(瀬戸雄三、東洋経済新報社、2003年5月)
「アサヒビール株式会社ウェブサイト」
(アサヒビール株式会社)
(中川コメント)
本日の記事は弊社が有料会員となっている「中小企業福祉事業団」
のビジネスリポートの記事を転載しました。
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編集後記      
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「ぽしゃる」「さぼる」はフランス語が語源 ホント? ウソ?
答え ホント
普段何気なく使っている言葉の中に、外国語に由来するものが
結構ある。
たとえば、ものごとがダメになることを表現する「ぽしゃる」。
これは帽子を表すフランス語、「シヤボー」から来ていると
言われている。
「脱帽する」とは、「参りました」と降参すること。ここから、
ものごとがダメになった降参状態を、シヤボーをひっくり返して
「ぽしゃる」と言うようになったというのだ。
真偽は定かではないが、なかなかしゃれがきいている。
もう一つ、「さぼる」もフランス語に語源がある。
もとの言葉をひっくり返すのではなく短くして使っている
パターンだ。
働かないことを表現するフランス語「サボタージュ」。
この頭のニ丈字に「る」をつけて動詞にした。
ちなみに「ぱくる」は、掴むという意味のドイツ語「バッケン」に
由来するのではないかという説がある。
こう考えると、日本人も案外、国際的?
(日本語のマル得雑学 知的生き方文庫より)
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