■社宅の壁に穴が!修繕費は社員に請求できる?■

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大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年9月2日 Vol.6542
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■「時短勤務者」が職場全体の働き方を変える■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)

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■社宅の壁に穴が!修繕費は社員に請求できる?■
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「社宅を退去した社員の部屋を確認したら、
壁に大きな穴が開いていました」

「床にも、普通に暮らしていれば付かないような
傷があります。修繕費を本人に請求できますか?」

社宅を持つ会社では、時折こうした問題が起こります。

これまで会社が修繕費を全額負担してきた場合、
急に社員負担へ変えてよいのか迷いますよね。

まず押さえたいのは、退去時の傷や汚れを
すべて社員に負担させるわけではないことです。

年月の経過による劣化や、普通に生活していて
生じる傷みは、原則として会社が負担します。

一方、社員の故意や不注意による損傷、
通常の使い方を超えた傷や汚れについては、
社員に修繕費を負担してもらうことが考えられます。

Q 普通に暮らして付いた汚れも請求できますか?

A 経年変化や通常の使用による傷みなのか、
故意や不注意によるものなのかを分けて
考えるとよいでしょう。

例えば、日光による壁紙の変色や家具を置いた跡まで
一律に社員負担とするのは慎重に考える必要があります。

反対に、故意に開けた壁の穴や、明らかな不注意で
付けた大きな傷などは、社員負担を検討できます。

Q これまで会社が全額負担してきました。
今後は運用を変えられますか?

A 社宅規程に会社が全額負担すると明記されておらず、
会社負担が労使間の決まりとして定着しているような
例外的な事情もなければ、変更は可能と考えられます。

ただし、何の説明もなく退去時に突然請求すれば、
「今までは会社が払っていたのに」と社員が戸惑い、
負担の範囲をめぐって争いになりかねません。

社員に請求できるかという問題だけでなく、
納得できる運用になっているかも大切です。

Q 社宅規程には何を書けばよいでしょうか?

A 退去時に、入居者の責任によって生じた損傷や
汚れなどは、本人の費用で元の状態に戻すか、
その費用を負担することを明確にするとよいでしょう。

同時に、経年変化や通常使用による傷みは
会社負担とすることも伝えておくと、
社員に安心してもらいやすくなります。

すでに「退去費用は会社が全額負担する」と
社宅規程に定め、社員へ周知している会社では、
規程を変更するための適正な手続きが必要です。

変更する理由や社員への影響を整理したうえで、
丁寧に説明することが欠かせません。

ワンポイントアドバイス

入居時と退去時に、会社と社員が一緒に室内を確認し、
壁、床、水回りなどの状態を写真で残しておきましょう。

入居時からあった傷なのか、入居後に付いた傷なのかが
分かれば、退去時の行き違いを減らせます。

確認項目を一覧にしたチェック表を用意し、
双方が確認した日付も記録しておくと安心です。

社宅は、社員の生活を支える大切な福利厚生です。

だからこそ、会社が負担する範囲と社員が負担する
範囲を、誰にでも分かる形にしておきたいものです。

退去の申し出があってから慌てるのではなく、
まずは今の社宅規程と入退去時の手順を、
一度ゆっくり確認してみてはいかがでしょうか。

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【本からの気づきメモ】
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■「時短勤務者」が職場全体の働き方を変える■

フルタイムで働ける人だけを採用対象にすると、
育児や介護などで時間に制約のある人を逃します。
勤務時間の条件を緩めることで、人材確保の可能性は
大きく広がります。

高知県が始めた短時間正職員の募集では、行政職
5人の枠に約100人が応募しました。採用された人の
人事評価や昇給制度は、フルタイム職員と同じです。

ある企業では、午後5時以降の顧客メールを調べると、
すぐに対応が必要だったものは月1件ほどでした。
「営業職の時短勤務は難しい」という心配は、実際に
業務を調べてみると杞憂だったのです。

時短勤務者の活用をきっかけに、全員の仕事を
30分単位で共有し、困ったときは助け合う仕組みも
生まれました。仕事の偏りにも気づきやすくなります。

時短勤務者の仕事を周囲に上乗せするだけでは、
不満や離職につながります。短時間で成果を出せる
仕事の進め方へ、職場全体を変えることが大切です。

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