■病院へ行かない社員に受診を命じられる?■

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「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年9月13日 Vol.6553
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■固定残業代、今の運用で本当に大丈夫ですか■
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■国のテレワーク支援が転換■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)

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■病院へ行かない社員に受診を命じられる?■
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「体調が悪そうで、仕事にもミスが出ています」

「病院へ行くよう勧めましたが、
本人は『大丈夫です』と言って応じません」

このようなとき、会社としては心配ですよね。

本人の健康を守りたい一方で、
受診を強く求めると、私生活への干渉だと
受け取られるのではないか。

そう考えて、対応をためらう会社も
あるのではないでしょうか。

しかし、体調不良によって仕事や安全に
具体的な支障が生じている場合には、
そのまま勤務させることにも注意が必要です。

Q
会社は社員に対して、
医療機関の受診を命じられますか?

A
受診を求める合理的かつ相当な理由があれば、
業務命令として認められる場合があります。

例えば、勤務中に何度もふらつく、
意識がもうろうとする、機械操作に危険が生じるなど、
健康状態と業務上の支障が具体的に確認できる場合です。

就業規則に、必要に応じて会社指定の医師への
受診を命じることがあると定めておけば、
命令の根拠がより明確になります。

規定がないからといって、
受診を求めることが一切できないわけではありません。

ただし、その場合は特に慎重に、
受診の必要性と求める内容が適切かを
確認することが大切です。

Q
上司が「何となく様子がおかしい」と
感じただけでも受診を命じられますか?

A
印象だけで判断するのではなく、
確認できた事実を整理するとよいでしょう。

「最近、元気がない」
「高齢なので心配だ」
というだけでは、根拠として十分とはいえません。

いつ、どこで、どのような症状が見られたのか。
仕事にどのような支障や危険が生じたのか。

こうした事実を記録したうえで、
本人から体調や受診しない理由を聞きます。

ある会社では、体調不良を理由に
すぐ受診命令を出すのではなく、
まず本人と面談しました。

すると、本人は受診そのものを嫌がっていたのではなく、
勤務時間中に病院へ行ってよいのか分からず、
費用についても心配していたことが分かりました。

会社が受診時間や費用の扱いを説明したところ、
本人は受診に応じました。

命令を出す前の丁寧な確認によって、
解決できることもあります。

Q
それでも本人が受診を拒んだら、
すぐに懲戒処分にしてよいですか?

A
直ちに処分するのではなく、
まず拒否する理由を確認しましょう。

本人が受診の目的を理解していない、
個人情報が職場に広まることを心配している、
受診する時間が取れないなど、
さまざまな事情が考えられます。

会社は受診が必要な理由、費用や時間の扱い、
会社へ提出してもらう情報の範囲を説明します。

そのうえで正当な理由なく拒否が続く場合は、
担当業務から一時的に外すなど、
本人と周囲の安全を確保する対応も検討します。

ワンポイントアドバイス

就業規則を確認し、受診命令に関する定めがなければ、
健康診断や会社指定医への受診を命じる場合があることを
追加しておくとよいでしょう。

併せて、面談記録を残す簡単な書式も用意します。

確認した症状、仕事への影響、本人の説明、
会社が伝えた内容を記録しておけば、
感覚ではなく事実に基づいて対応できます。

診断結果や病歴は、特に慎重に扱うべき情報です。

会社が確認するのは、原則として、
仕事を続けられるか、就業上の配慮が必要かなど、
雇用管理に必要な範囲にとどめます。

本人の病名を職場で不用意に伝えたり、
必要以上に詳しい情報を集めたりしないことも大切です。

受診命令は、社員を責めるためのものではありません。

本人の健康と職場の安全を守るために、
何を確認する必要があるのか。

自社の規程と対応手順を、
一度ゆっくり確認してみてはいかがでしょうか。

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【本からの気づきメモ】
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■国のテレワーク支援が転換■

国が毎年11月に実施してきた
「テレワーク月間」が終了します。

2015年度に始まり、2025年度には
400を超える企業や団体が参加しました。

コロナ禍をきっかけに在宅勤務が普及し、
企業の理解や制度整備が進んだことから、
特定の月ではなく、通年で支援する方針です。

厚生労働省が中小企業に最大35万円を支給する
テレワーク導入の助成金も、
2026年度限りで廃止されます。

コロナ禍の2020年度には42億円だった支給額が、
2025年度には3500万円、147件まで減りました。

一方、国の支援の重点はAIやDXへ移ります。
テレワークの優良事例を表彰する制度も、
2026年度から「ワークデザインAX/DX大賞」に
衣替えします。

働く場所の整備から、AIなどを活用した
働き方そのものの改革へ。
国の支援策も新しい段階に入っています。

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