[今月の経営格言]山中伸弥(ノーベル生理学・医学賞受賞者)

[セミナーのご案内]
● 拍子抜けするほど簡単な賃金制度の作り方セミナー ご案内
受講料 38,000円(税別)
[東京] https://nakagawa-consul.com/seminar/002.html 
    6月16日(火)10時~16時30分 
[Web]  https://nakagawa-consul.com/seminar/002_web.html 
    3月27日(金)10時~16時30分
    4月17日(月)10時~16時30分
    5月18日(月)10時~16時30分 
☆★☆―――――――――――――――――――――――――
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳  2020年3月18日号          VOL.4436
――――――――――――――――――――――――――――
日本以外の多くの国では、「ジョブ型」という雇用システム
(続きは編集後記で)
――――――――――――――――――――――――――――
[今月の経営格言]山中伸弥(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
――――――――――――――――――――――――――――
◆今月の経営格言
   「研究をする上でのモットーは
            『ビジョン&ワークハード』」
   山中伸弥(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
   出所:「毎日jp(2012年10月10日付)」(毎日新聞社)
――――――――――――――――――――――――――――
冒頭の言葉は、
「やみくもに努力を重ねるだけでは、価値あるものは
    生まれない。目的(ビジョン)を持って、一生懸命に
        努力する(ワークハード)ことこそが重要である」
ということを表しています。
 1993年、山中氏はノックアウトマウス(特定の遺伝子の働き
をなくしたマウス)の作製を学ぶため、米国カリフォルニア大学
サンフランシスコ校のグラッドストーン研究所に留学しました。
その際、同研究所の所長から、研究者として成功するには「ビ
ジョン&ワークハードが欠かせない」と教わりました。折しも
当時の山中氏は一生懸命働いているうちにビジョンを見失って
しまい、何のために働いているのか分からないと考えていたこ
とから、この言葉に感銘を受けて、自身の研究のモットーとす
るようになりました。
 1996年、帰国した山中氏はノックアウトマウスを使ったがん
の抑制遺伝子に関する研究に取り組んでいました。この研究の
過程で、ある遺伝子を潰したノックアウトマウスのES細胞(胚
性幹細胞。さまざまな組織や臓器の細胞に分化し、無限に増殖
する能力を持つ細胞)には、すべての細胞を作りだすことがで
きるという、ES細胞の大きな特徴が失われていることが分かり
ました。これを契機に山中氏はES細胞に関心を抱き、現在の
iPS細胞(人工多能性幹細胞。体細胞に特定因子を導入すること
により樹立されるES細胞に類似した多能性幹細胞)の研究へと
つながっています。
 しかし、当時はES細胞の研究が現在ほど進んでいなかったた
め、研究の重要性について周囲の人から理解を得ることが難し
いなど、山中氏は大きな悩みを抱えていました。
 こうした折、奈良先端科学技術大学院大学で助教授(現在の
准教授に当たる役職)の公募がありました。奈良先端科学技術
大学院大学は、研究装置などが充実しており、比較的研究費が
豊富であるなど研究環境に恵まれていました。山中氏はこの公
募に採用されなければ研究者の道を諦めるという覚悟で臨み、
1999年に見事、採用されました。
 その後、2004年に山中氏は京都大学へ移り、2006年には世界
で初めてマウスの皮膚細胞を使ったiPS細胞、2007年にはヒトの
皮膚細胞でもiPS細胞の作製を成功させ、2012年12月にノーベル
生理学・医学賞の受賞が決定するなど世界的な評価を受けてい
ます。
 研究やビジネスなどの分野を問わず、物事を成功させるため
には、一生懸命に努力することが欠かせません。
 山中氏はこの点について、次のように述べています。
「目的を持って一生懸命に働く。
            非常に当たり前のことだが非常に難しい」
 何事についても一生懸命に努力をすることは重要であり、積
み重ねた努力は必ず自らを鍛えてくれます。しかし、目的がな
ければ努力は長続きしません。自分が成すべきことが明確にな
っているからこそ、努力を積み重ねることができるのです。
 山中氏の言葉は、経営者は常に企業のビジョンを忘れず、不
退転の覚悟で経営に取り組んでいかなければならないという、
企業をかじ取りする上での基本を教えてくれます。
【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本
稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかになって
いる情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当
性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即
した肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的
と思われるもののみを記載し、全てを網羅したものではありま
せん。
【経歴】
やまなかしんや(1962~)。大阪府生まれ。大阪市立大学大学
院博士課程修了。2010年、京都大学iPS細胞研究所所長就任。
2012年、「成熟細胞が初期化され多様性を獲得しうることの
発見」によりノーベル生理学・医学賞受賞。
【参考文献】
「毎日jp(2012年10月10日付)」(毎日新聞社、2012年10月)
「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」
(山中伸弥、緑慎也、講談社、2012年10月)
「日本の論点2011」(文藝春秋(編)、文藝春秋、2011年1月)
「京都大学iPS細胞研究所ウェブサイト」
(京都大学iPS細胞研究所)
「総合科学技術会議 基礎研究及び人材育成部会 第5回
(2012年10月24日開催)『配布資料(参考資料2 )』」
(総合科学技術会議)
  
(中川コメント)
本日の記事は弊社が有料会員となっている「中小企業福祉
事業団」のビジネスリポートの記事を転載しました。
――――――――――――――――――――――――――――
● 社員と、もめごとを起こさない就業規則の作り方セミナー  
  38,000円(税別)
 
[Web] https://nakagawa-consul.com/seminar/005_web.
html
    3月19日(木)10時~16時30分
    5月26日(火)10時~16時30分
      Webは、日程が合わない場合は上記ページ末より
    調整ができます
◆──────────────────────────◆
    編集後記      
◆──────────────────────────◆
日本以外の多くの国では、「ジョブ型」という雇用システム
雇用契約時に結ぶ「職務記述書(ジョブ・ディスクリプ
ション)という書類によって一人ひとり、明確に仕事の
範囲が既定される仕組みです。
まず「仕事」が存在し、そこに「人」をつけています。
それに対して日本型の雇用システムは「メンバーシップ型」
と呼ばれ、先に「人」を採用してから「仕事」を割り振り
ます。その結果、「必要な仕事に人がつく」のではなく、
「職場に人がつき、それを皆でこなす」形になるため、
「仕事の相互依存度」も高くなります。
自分に与えられた仕事が終わっても、「職場のみんなが
終わっていなければ終わりにくい」ところがあり、
他の人の仕事を手伝う、若手のフォローアップを行う、
といったプラスアルファが求められます。
これら2つの無限が重なり合い、負のシナジー (相乗効果)を
生み出してしまうのが、日本の職場の特徴です。
国際的に見ると、アメリカでは労働時間に関して、割増賃金の
支払い義務はありますが、法による上限規制はなく、日本と
同じく「時間の無限性」があります。
そのため、アメリカにおいても長時間労働はしばしば問題に
なってきました。しかし、アメリカの多くの企業では、
職務記述書によって担当する職務が明確化されていること、
さらに成果主義の徹底が労使双方に浸透していることで
「仕事の無限性」は避けられています。
担当職務が明確でなく、状況と時期によって変わっていく
日本では、与えられた仕事をやり遂げるだけでは評価され
ず、与えられた仕事「以上」を主体的に探して行うことで
社内の評価を高める面があります。
まとめれば、「仕事」に対応して人が雇われていないため、
見つけようと思えば仕事を「無限」にでき、さらに仕事の
「時間」にも制限がない、という世界にも希な2つの無限を
持っているのが日本の職場なのです。
だからこそ、青天井の残業が発生します。
(残業の9割はいらない 本間浩輔著 光文社新書より)
――――――――――――――――――――――――――――――
[DVD版] https://nakagawa-consul.com/cd-dvd/dvd-02.html
全社員が一丸となる賞与の払い方 24,000円(税別)
◆────────────────────────────◆
    ご注意      
◆────────────────────────────◆
このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合があります。
むつかし法律条文をわかりやすく説明するために正確な表現を
犠牲にしています。正確な情報を記載しょうとすれば、
お役所の文書と同じになります。結局わかりにくい記事になり、
役に立ちません。
正確な情報を期待される方には、その期待にお応えできません。
このメルマガを解除してください。
このメルマガ記事による損害賠償には一切応じられないことを
申し添えます。
◆────────────────────────────◆
メールマガジン
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
☆発行責任者 有限会社中川式賃金研究所 所長 中川清徳
☆公式サイト http://nakagawa-consul.com
☆問い合わせ info@nakagawa-consul.com
☆バックナンバー http://archive.mag2.com/0000283000/index.html
☆登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000283000.html     
◆────────────────────────────◆