【賃金】55歳から給料を下げたい

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 【賃金】55歳から給料を下げたい
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   Aさんのことで相談があります。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:Aさんは2ヶ月後に55歳になります。
   大企業では55歳から給料を下げているようです。
   それでAさんの給料を下げたいのですが。
   気をつけることはありますか?
中川:どうして給料を下げたいと思うのですか?
社長:Aさんは勤続15年で、一所懸命にやっていただいてます。
   しかし、現場はAさんを除いて全てアルバイトです。
   Aさんの仕事はアルバイトでもできるのですが、そのわりに
   給料が高いからです。
中川:本当は辞めてもらいたい?
社長:いいえ、誠実な人柄で安心して任せられます。
   定年後に継続雇用をしたいとも考えています。
   しかし、仕事の割に給料が高すぎます。
中川:そうですか。
   で、どのくらい下げるのですか?
社長:30パーセントカットしたいのです。
   それでもアルバイトより遙かに高い給料です。
中川:そうですか。
   御社の賃金規程には55歳になったら減額すると明記されて
   いません。
   大企業の場合は賃金制度で55歳を超えると減額するように
   なっているのです。
   御社は制度として減額する仕組みがありません。
社長:へえ、大企業はそうなっているのですか。
中川:中小企業でも大企業もまねをしていることが多いです。
   だから、中小企業でも55歳を超えると減額する
   制度は多いです。
社長:ということは、当社は減額できないということですか?
中川:減額できます。
   ただし、本人の同意が必要です。
社長:本人の同意があればいいのですね?
中川:そうです。
   しかし、30%減額とは減額が大きすぎますね。
社長:でも、アルバイトと比較すると...。
中川:そうかもしれませんが、生活に響きます。
社長:どの程度ならいいですか?
中川:基準はありません。
   しかし、30%は大きすぎると感じます。
   給料の減額はもう少し少なくし、賞与で調整したら
   いかがですか?
社長:なるほど。
   とにかく本人の同意が必要なのですね。
中川:そうです。
   同意を得るためには丁寧な説明が必要です。
   同意を得たら書面で確認をしておきましょう。
社長:わかりました。
   大企業も書面で確認しているのですか?
中川:賃金制度で55歳を超えると減額することに
   なっていますので、個別の同意書はとっていません。
   つまり、賃金制度の仕組みで減額をする場合は
   同意書は不要と言うことです。
社長:では、当社の賃金制度はそうなっていないので
   Aさんのような人がいたら毎回同意が必要だと
   いうことですか?
中川:そうです。
社長:面倒ですね。
   第一本人に同意をもらうための説明は大変です。
   賃金制度を変えた方がよさそうですね。
中川:そうですね。
   55歳を超えたらと年齢で一律の下げる賃金制度は
   疑問です。
   55歳といっても部長も課長も存在します。
   部長や課長も55歳になったら減額するのは
   変だと思いませんか?
社長:たしかに。
中川:55歳を超えたら減額するという変更は小手先の
   修正でしかありません。
   それより、そもそも賃金とはなにか根本から
   検討すべきです。
社長:うーん、専門家の手伝いが必要ですね。
   中川さん、相談に乗って頂けますか?
中川:はい、よろこんで。
(中川コメント)
給料の減額は本人の同意が必要です。
同意をした場合は同意書を交わしましょう。
賃金制度は単純に年齢で決めるべきではありません。