【労務管理】マズローの欲求階層理論
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(続きは編集後記で)
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【労務管理】マズローの欲求階層理論
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
マズローの欲求階層理論とは何ですか?
中川:いきなり何でしょうか?
社長:先日、講演会で講師が言った言葉が気になったので
メモをしました。
講師はさらりと言っただけなのでもっと知りたいと思いまして。
中川:マズローというのはアメリカの心理学者です。
モチベーション(ヤル気)理論の一つとして注目を浴びています。
人間の欲求を5段階に分類しそれを低次の欲求から高次へと
階層が上がっていくことという理論です。
社長:5段階の内容は何ですか?
中川:第一段階が生理的欲求
第二段階が安全欲求
第三段階が社会的欲求
第四段階が自我欲求
第五段階が自己実現欲求
となっています。
第一段階の欲求を満足したら第二段階の欲求に上がっていくのです。
社長:第一段階の生理的欲求とは何ですか?
中川:生命維持のための食事・睡眠・排泄等の本能的・根源的な欲求
のことです。
社長:腹が減っては戦はできぬというやつですね。
なるほど。
中川:第二段階の安全の欲求は
誰にも脅かされることなく、安全に安心して生活をしていきたい
という欲求です。
雨・風をしのぐための住居を欲するというものから、
戦争などの争いごとのない環境で過ごしたいという欲求まで
含まれます。
第一段階の食べるものに不自由しなくなると、次は安心して
食事や睡眠を取れる場所が欲しくなるということです。
社長:なるほど。分かりますね。
中川:第三段階の社会的欲求は
集団に属したり、仲間から愛情を得たいという欲求です。
寝食が満たされると、誰かにかまってほしくなるのですね。
社長:1人では生きていけませんからね。
中川:第四段階の自我の欲求は
他者から、独立した個人として認められ、尊敬されたいという
欲求です。
今度は、かまってもらうだけでなく、自立した個人として尊重
されたくなるわけです。
社長:勲章をもらいたくなるのはこれですかね。
中川:第五段階の自己実現の欲求は
自分自身の持っている能力・可能性を最大限に引き出し、
創造的活動をしたい、目標を達成したい、自己成長したいという
欲求です。
社長:なるほど。
では、自己実現がもっとも価値があるということですね?
中川:人によって価値観が違いますから断定できません。
社長:ところでこの欲求階層理論はどのように役立つのですか?
中川:たとえば、給料を世間並みにもらっているので生活が安定している
社員はどのような欲求が生まれるでしょうか?
社長:うーん、安定した生活が確保されているので
第三段階の社会的欲求でしょうか。
中川:そうです。
社会的欲求が満たされないとどうなると思いますか?
社長:うーん。
中川:定型的な例はクレーマーです。
何かにつけて文句を言う人。
社長:どうして?
中川:自分をかまってもらいたからです。
事故多発者や仕事のミスが多い社員は第三段階の欲求が
満たされていない可能性があるのです。
それが分かればその従業員に対する対応も立てやすいですよね。
社長:なるほど。
では、第四段階の自我の欲求は役職者になりたいとか言うことですね?
中川:ピンポーン!
だから昇進は大切なのです。
社長:でも、だれでも昇進できるわけではないですね。
中川:そこです。
昇進以外でも自我の欲求が満たされるような施策を会社で
とることです。
それがヤル気につながるのです。
社長:具体的には?
中川:たとえば社員旅行の幹事や宴会の責任者に任命する、
あるいは改善提案で優秀者を表彰することなど
工夫次第でたくさんあります。
社長:へえ、マズローの欲求階層理論は使えますね。
(中川コメント)
マズローの欲求階層理論は分かり易いので受け入れられやすいです。
ただし、個人は複数の欲求によって動機づけられるのが普通です。
必ずしも第一段階の欲求が満たされなければ第二段階の欲求が生まれないと
いうことでもありません。
マズローの
欲求階層理論は科学的根拠がなく単なる仮説であるとの
批判もあります。
しかし、茶道、柔道と日本人は道を求める(第五段階の自己実現の欲求)ことに
価値を見いだす人が多いので、人気のある理論です。
時には、マズローの欲求階層理論を思い出し、労務管理に応用すると
良いでしょう。
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編集後記
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[渋沢栄一の名言・格言|順風のときも気を緩めず、逆風の時も落ち込まない]
得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、
常操をもって道理を踏み通すように心がけて出ることが肝要である。
得意時代と失意時代とに拘わらず、常に大事と小事とについての心掛を
緻密にせぬと、思わざる過失に陥りやすいことを忘れてはならぬ。
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