■10月から同一労働同一賃金、手当の点検は大丈夫?■

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発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年9月11日 Vol.6551
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■家族手当が生む年収と年金の差■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)

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■10月から同一労働同一賃金、手当の点検は大丈夫?■
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「正社員にだけ家族手当を支給しています」

「パート社員には夏季休暇を与えていませんが、
今まで問題になったことはありません」

このような会社はありませんか?

2026年10月1日から、
改正された同一労働同一賃金ガイドラインが
施行されます。

今回の改正では、正社員とパート・有期社員の
待遇差を判断する考え方が、より明確になります。

賞与、退職金、無事故手当、家族手当、
住宅手当、病気休職、夏季冬季休暇、
永年勤続などの褒賞が点検項目です。

大切なのは、正社員とパート・有期社員の待遇を
すべて同じにすればよいということではありません。

それぞれの待遇について、何のために設けたのか、
仕事や責任の違いと結び付いているのかを
一つずつ確認する必要があります。

Q
パート社員には家族手当を
支給しなくてもよいのでしょうか?

A
雇用期間が短いという理由だけで
対象外にするのは、慎重に考えた方がよいでしょう。

契約更新を繰り返すなど、今後も相応に継続して
勤務することが見込まれる場合には、
正社員と同じ家族手当を支給するという
考え方が示されています。

契約期間、更新回数、通算の雇用期間、
通常であれば更新する運用かどうかなど、
実際の雇用状況を確認することが大切です。

Q
住宅手当は正社員だけに支給できますか?

A
転居を伴う異動の可能性を理由としているなら、
規程だけでなく、実際の運用も確認しましょう。

正社員には転居を伴う異動がある一方、
パート・有期社員にはないのであれば、
その違いが判断材料になります。

しかし、規程上は転勤があることになっていても、
実際には正社員にも転居を伴う異動を
命じていない場合は、説明が難しくなります。

Q
待遇差をなくすため、正社員の手当を
引き下げてもよいでしょうか?

A
まずはパート・有期社員の待遇を改善する方向で
考えるのが基本です。

正社員の賃金や手当を引き下げる方法には、
本人の同意や変更内容の合理性など、
慎重な検討が必要になります。

予算の都合だけで急いで決めず、
経過措置や代わりとなる措置も含めて、
丁寧に話し合うことが大切です。

ワンポイントアドバイス

最初から難しい判断をする必要はありません。

まず、正社員、パート社員、有期社員ごとに、
基本給、賞与、退職金、各種手当、休暇、
福利厚生の有無を一覧表にしてみましょう。

次に、差がある項目へ印を付け、
その制度を設けた目的と、差を付ける理由を
自社の言葉で説明できるか確認します。

就業規則には理由が書かれていても、
実際の仕事内容や異動の運用と違っていることが
ありますので、現場への聞き取りも欠かせません。

また、「正社員を確保するため」
「昔からこの扱いだから」という理由だけでは、
十分な説明にならないことがあります。

定年後の再雇用者についても、
再雇用になったという事実だけで、
待遇差が当然に認められるわけではありません。

では、現場ではどう考えるか。

待遇の名称ではなく、制度の目的と実態を確認し、
仕事の内容、責任、転勤や配置転換の範囲などと
照らし合わせることが第一歩です。

10月を迎える前に、社員から質問されたとき、
きちんと説明できる制度になっているか、
一度ゆっくり確かめてみてはいかがでしょうか。

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【本からの気づきメモ】
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■家族手当が生む年収と年金の差■

企業の74.5%が、家族を養う社員に
家族手当を支給しています。
配偶者と子ども2人なら平均月2万5272円、
配偶者手当がない企業でも、子ども2人で
平均月2万5241円です。

教育手当や転勤手当などが加わると、
同じ仕事をする独身社員との年収差が
100万円を超えることもあります。

日本では、家族構成や年齢に応じて賃金を決める
「生活給」の考え方が根強く残っています。
しかし、生涯未婚率は男性で約3割、女性で
2割近くとなり、家族手当は誰もがいつか
受けられる制度ではなくなりました。

現役時代の手当の差は、老後にも影響します。
月2万5000円の手当を20年間受けると、
年金月額の試算は15万8000円から
16万1000円に増えます。

家族構成ではなく、仕事や成果に応じて給与を
決め、子育ては休暇制度などで支える企業も
出てきています。

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