■同一労働同一賃金、年収が同じなら問題ない?■
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中小企業の人事・労務管理に役立つピカイチ情報
「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!
発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2026年10月15日Vol.6385
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■本屋さんの3冊に1冊が返品される!出版業界の意外な事情■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)
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■同一労働同一賃金、年収が同じなら問題ない?■
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「正社員とパート社員では、
給与に差をつけてもよいのでしょうか?」
「仕事内容はほぼ同じですが、
賞与や手当まで同じにする必要がありますか?」
こんな疑問を持つ経営者や総務担当者は
少なくありません。
実は、同一労働同一賃金については、
誤解されやすい点があります。
それは、正社員とパート社員の給与を
すべて同じにしなければならない、
という制度ではないことです。
大切なのは、待遇に差がある場合に、
その理由を合理的に説明できるかどうかです。
2020年4月に始まった同一労働同一賃金の
ルールは、2026年10月1日からの
改正ガイドラインによって、
さらに実務上の対応が重要になっています。
今回は、その基本的な考え方を整理します。
■基本となる2つの考え方■
同一労働同一賃金には、
大きく2つの原則があります。
1つ目は「均衡待遇」です。
これは、仕事内容や責任などに違いがあれば、
その違いに応じて待遇に差を設けることは
認められるという考え方です。
ただし、差があれば何でもよいわけでは
ありません。
仕事や責任の違いなどに照らして、
不合理な待遇差になっていないことが大切です。
2つ目は「均等待遇」です。
仕事内容や責任、配置転換などの範囲が
正社員と同じである場合には、
パート社員や有期契約社員であることを理由に、
差別的な待遇をしてはいけないという考え方です。
つまり、雇用形態という名前だけでなく、
実際の働き方を見ることが重要なのです。
■Q&Aで考えてみましょう■
Q1
正社員とパート社員の年収を比較して、
大きな差がなければ問題ありませんか?
A
年収だけで判断するのは避けた方がよいでしょう。
基本給、賞与、各種手当など、
待遇ごとに違いを確認する必要があります。
例えば、年収全体では大きな差がなくても、
住宅手当や精勤手当の支給方法に
問題がある可能性があります。
一つひとつの待遇について、
なぜ差があるのかを確認することが大切です。
Q2
正社員は転勤がありますが、
契約社員には転勤がありません。
住宅手当に差をつけてもよいのでしょうか?
A
住宅手当の目的によって判断するとよいでしょう。
例えば、転勤によって増える住宅費を
補助する目的であれば、
転勤の有無が待遇差の理由になり得ます。
ただし、単に正社員だから支給するという
説明だけでは十分とはいえません。
手当の目的と実際の働き方が
一致しているかを確認しましょう。
Q3
精勤手当は正社員だけに支給しています。
このままでよいでしょうか?
A
まず、精勤手当を設けた目的を確認しましょう。
欠勤せずに勤務することを奨励する目的なら、
正社員と契約社員の仕事内容や責任の違いが、
そのまま支給差の理由になるとは限りません。
なぜ支給対象を分けているのか、
説明できることが重要です。
■ワンポイントアドバイス■
まずは、自社の賃金規程を開いてみましょう。
基本給、賞与、住宅手当、家族手当などを
一つずつ確認します。
そのうえで、次の3点を整理してください。
1.仕事内容と責任に違いがあるか
2.転勤や配置転換の範囲に違いがあるか
3.その待遇は何のために支給しているか
この3点を整理するだけでも、
待遇差を説明する際の課題が見えてきます。
また、パート社員や有期契約社員から
待遇差について説明を求められた場合に、
きちんと答えられる準備も必要です。
2026年10月からは、採用時の労働条件明示でも、
待遇差の内容や理由などについて
説明を求めることができる旨を
新たに示す必要があります。
■待遇差をなくすことだけが目的ではありません■
中小企業では、正社員とパート社員に
異なる役割を期待することがありますよね。
その違いを待遇に反映させること自体が、
直ちに問題になるわけではありません。
大切なのは、会社としての考え方を整理し、
従業員に納得してもらえる説明を
用意しておくことです。
今ある制度をすべて変える必要があるのか、
それとも説明を整理すればよいのか。
まずは自社の待遇差について、
一度ゆっくり確認してみてはいかがでしょうか。
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【本からの気づきメモ】
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■本屋さんの3冊に1冊が返品される!出版業界の意外な事情■
本屋さんに並んでいる本は、売れ残った場合、
出版社側に返品できる仕組みになっています。
この仕組みのおかげで、書店は売れ残りのリスクを
抑えながら、さまざまな本を並べることができます。
ところが、現在の書籍の返品率は約3割。
およそ3冊に1冊が返品されている計算です。
返品には仕分けや輸送などの費用がかかります。
一方、売れた本を補充するには約1週間かかるため、
書店は最初から多めに仕入れざるを得ません。
そこで出版業界は、新しい仕組みを始めています。
最初は必要な冊数だけを送り、売れたら素早く補充。
追加注文の本を2~3日で届ける仕組みを目指します。
背景には、紙の出版市場の縮小があります。
2025年には市場規模が1兆円を下回り、
書店数も初めて1万店を割り込みました。
ちなみに、2026年上半期の新刊本の平均価格は1412円。
この3年間で約8%値上がりしています。
本屋さんで思いがけない一冊に出合える楽しさ。
その豊かな文化を守るため、流通改革が進んでいます。
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