【退職】契約期間3年なのに途中で退職する

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年2月26日号   VOL.1062
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「虎の皮」をかぶらない(森鴎外)

 

(続きは編集後記で)

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 【退職】契約期間3年なのに途中で退職する
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   Aさんの退職について相談です。

中川:はい、何でしょうか?

社長:Aさんは3年の契約社員です。
   まだ、半年なのに退職したいというのです。
   契約違反ではないですか?

中川:そのとおりです。

社長:で、退職を拒否することができますか?

中川:できます。
   ただし、雇用してから1年間だけです。

社長:どうしてですか?
   3年契約をしているので3年は働いてもらわないと。

中川:その気持ちは分かりますが、法的には1年が限度です。

社長:そんなことが労働基準法に書いてあるのですか?

中川:はい、書いてあります。
   労基法附則137条です。 

   「期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を
   定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締
   結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)は、
   労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則
   第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定
   にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日
   以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退
   職することができる。

社長:うーん、確かに。
   もし、Aさんが1年間は働けと命じても拒否したらどうなる
   のでしょう?

中川:契約違反として損害賠償をAさんに請求できます。

社長:いくらくらいですか?

中川:それは社長がお決めになることです。
   
社長:うーん。
   それ以前のことですが、法的には強制できても
   働く気持ちのないAさんをムリヤリ働かせるのはどうかと思いますね。

中川:そうですね。
   賛成です。

社長:では、退職の申し出を承認します。
   それにしても...。

(中川コメント)

有期契約の場合労使双方とも途中の解約はできません。
ただし、1年を経過した場合、労働者は解約の申し出ができます。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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「虎の皮」をかぶらない(森鴎外)

 他人の威勢を利用して、自分を強く大きく見せようと考えるな。
 他人の栄光を借りて、自分を光らせようとするな。
 太陽の光の反射で、大きく光り輝く月になるよりは、小さくても自分自
身で光を発して、周りを照らす灯火になれ。
「鶏口となるとも牛後となるなかれ」の諺も教えている。大きなものの尻
尾につき従うより、小さくても自力で先頭に立って進め!

(1日「ひと粒」の黄金の知恵 森鴎外著 齋藤孝訳 イープレスト刊より)

では、また明日お会いしましょう!!

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