【解雇】3ヶ月契約のパートを1ヶ月目で解雇したい

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2013年2月1日号   VOL.1397
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向田邦子曰く...。

(続きは編集後記で)

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【解雇】3ヶ月契約のパートを1ヶ月目で解雇したい
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   Aさんを解雇したいのです。

中川:Aさんはパートさんですよね。

社長:そうです。
   勤続10年くらいになります。

中川:どうして解雇するのですか?

社長:会社の業績が悪いからです。

中川:Aさんの雇用期間はどうなっていますか?

社長:3ヶ月契約です。
   契約を更新して1ヶ月経過しました。
   契約期間が終了するまで後、2ヶ月あります。

中川:あと2ヶ月待てないのですか?

社長:経営が厳しいのです。
   だから、解雇したいのです。

中川:Aさんには話しましたか?

社長:はい、話しました。

中川:で、どうなりましたか?

社長:Aさんは生活がかかっているので解雇しないので欲しいと
   言いました。
   しかし、...。

中川:勤務態度はどうなのですか?

社長:無断欠勤をすることがあり、上司が注意をしても
   改まらないのです。

中川:それでAさんを選んだのですね?

社長:そうです。
   他のパートさんはそんなことはありませんから。
   Aさんを真っ先に選ぶことは間違っていないと思います。

中川:そうですね。
   で、解雇せざるを得ない状況だということですが
   それはいつ頃からのことですか?

社長:ここ、半年です。
   それで残業削減や退職による欠員補充は避けるなど
   考えられることは手を打ちました。

中川:期間を定めた雇用契約はよほどの理由がないと
   解雇は認められません。

社長:今回はよほど理由だと思います。

中川:解雇をする場合は30日分の解雇予告手当を支給しなければ
   なりません。
   そうすると実質的に1ヶ月分の人件費の節約となりますね。

社長:そうですね。

中川:Aさんの月額給料はいくらですか?

社長:9万円くらいです。

中川:9万円を惜しまなければならないほど会社は追い詰められて
   いるのですか?

社長:はい。

中川:9万円くらい何とかなるのでは?

社長:それはそうですが、パートを整理解雇することで
   他の従業員にも緊張感を持ってもらいたいのです。

中川:Aさんは生活に困ると言っています。
   場合によっては訴訟を起こす可能性がありますよ。

社長:訴訟ですか...。

中川:訴訟となると弁護士に依頼しなければなりません。
   訴訟に関わる時間も半端ではありません。
   9万円を惜しんで苦労を背負うのですか?

社長:うーん。

中川:Aさんの仕事がないのであれば自宅待機という方法もありますよ。
   その場合は休業手当として平均賃金の60%を払うことになります。
      
社長:わかりました。
   解雇しないので対策を検討します。

(中川コメント)

 本日の記事は安川電機八幡工場事件(福岡高裁決 平成14年9月18日判決)を
参考にしました。
 期間を定めた雇用契約を契約期間満了前に解雇することはとても難しいと
思ってください。
やむを得ず解雇する場合、訴訟になると解雇理由が厳しく問われます。
できることなら雇用期間満了で雇い止めにすることがいいです。

あなたの会社は期間満了前に解雇していませんか?

今日はここまで。では、またあした。

 

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 解雇とか賃金の切り下げとか微妙な問題は、労働基準監督署に聞くわけに
もいかない。だいたい、俺は忙しいのだ。本を読んでいる暇はないし、
第一、資金繰りや営業のことで頭がいっぱいでそれどころではない。
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    編集後記      
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向田邦子曰く...。

おかしな形はおかしな形なりに均衡があって、それがみんなにとってし
あわせな形ということも、あるんじゃないかなあ。

では、また明日お会いしましょう!!

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