中川清徳のブログ

2017年4月の記事一覧

2017年
4月30日

 【残業代】賞与で精算しているから違法ではない?

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 【残業代】賞与で精算しているから違法ではない?
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   残業代について相談です。
中川:はい、なんでしょう?
社長:残業代と成果が比例しないので残業代の一部を
   賞与で精算しています。
中川:おっしゃっている意味がわかりません。
社長:ある社員は能力が高いのであまり残業をしないでも
   成果を上げています。
   能力が高くない社員は長時間労働をする割に成果があがりません。
   だから、残業代をまともに払っていたら能力の高くない
   社員の方が給料が高くなります。
   そういうのはおかしいので、残業代の一部を賞与で精算すると
   いうことです。
中川:どのように賞与で精算するのですか?
社長:成果を上げている社員には残りの残業代を賞与に上乗せします。
   しかし、そうでない社員の場合は残業代を少ししか上乗せしません。
中川:つまり、業績が上がらない社員は残業代をカットされるのですね?
社長:カットとは人聞きの悪い。
   成果を上げていないからです。
   ちゃんと成果を出してい入れば残業代を払いますよ。
   会社は利益を上げないと生きていけません。
中川:社長としたらそう考えるでしょうね。
   でも、それはまずいですよ。
社長:どうしてですか?
   違法ですか?
中川:違法です。
社長:でも、賞与は労基法では支払義務がないから経営者が
   自由に決めても違法ではないと教えてもらいました。
   それはウソだったのですか?
中川:あのう、それは誤解されています。
   たしかに、賞与は自由に決めてOKです。
   でも、残業代を精算して賞与計算をするということは
   前提が間違っています。
社長:はぁ?
   前提が間違っているのですか?
中川:そうです。
   残業代は毎月きれいさっぱり払わなければなりません。
   後で精算というやり方は違法です。
社長:どうして後ではダメなのですか?
中川:毎月払いなさいと労基法に書いてあります。
社長:はあ?
   賞与は年2回ですがこれも違法ですか?
   どこの会社も賞与は年2回でしょう?
   毎月払っている会社は聞いたことがありません。
中川:あのう、賞与は例外です。
 
社長:そうですか。
   なぜですか?
中川:法律で賞与は例外だと書いてありますので。
社長:残業代を賞与で払うのがダメなのは残業した分を
   払っていないからですか?
   ちゃんと払えばいいのですか?
中川:どちらもダメです。
   残業代はきれいさっぱりと払うことは当然です。
   残業代を賞与でまとめて払うことは許されません。
   残業代は毎月払わなければなりません。
社長:でも、業績の悪い社員が給料が高くなります。
中川:それは人事考課などで昇給や賞与に反映することです。
社長:わかりました。

(中川コメント)
労基法では下記のようになっています。
(賃金の支払)
第24条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければなら
    ない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又
    は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労
    働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支
    払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働
    者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働
    者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代
    表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部
    を控除して支払うことができる。
  2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなら
    ない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずる
    もので厚生労働省令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金
    等」という。)については、この限りでない。
この条文により残業代は毎月払うことが必要です。
2017年
4月29日

 【賃金】退職者の支払期限

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 【賃金】退職者の支払期限
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   Aさんが退職します。
   給料も退職金も退職したら7日以内に銀行振り込みをして
   欲しいと言われました。
   法律ではそう決まっているからというのです。
   そんなことを請求されたのは初めてです。
   法律で決まっているのですか?
中川:はい、半分正しく、半分は誤解です。
社長:はぁ?
   どういうことですか?
中川:確かに労働基準法では退職者から請求があった場合は
   7日以内に払わなければなりません。
社長:それが半分は正しいということですね。
   で、あとの半分は?
中川:退職金は御社の退職金規定どおりの支払でOKです。
社長:当社の退職金規定では3ヶ月以内に払うことになっています。
   まとまったお金は急に言われても会社も都合もあります。
   3ヶ月以内とありますから7日以内に払わなくてもいいのですね?
中川:そうです。
   3ヶ月以内とありますから、
   ・退職金を退職日の翌日に払う
   あるいは
   ・本人の請求どおり7日に払う
   あるいは
   ・3ヶ月目に払う
   ことは事業主が任意に決定できます。
社長:なるほど。
   
中川:で、退職金を7日目に払うことは難しいですか?
社長:いいえ、Aさんの退職金くらいは7日目でも払えます。
   しかし、権利だとばかりに要求されると
   愉快ではありませんね。
中川:Aさんに何か事情があるのですよ。たぶん。
社長:そうかもしれませんね。
   事情を詮索することは止めます。
   気持ちよく送り出したいですから。
中川:さすが社長。
   法律論より人の気持ちを大切にする。
   経営者の鏡ですね。
社長:そういえば、今年は鏡餅をどうしたのだろ?
   食べた記憶がないなぁ...。
中川:...。

(中川コメント)
労基法では下記のようになっています。
(金品の返還)
第23条 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、
    権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、
    積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利
    に属する金品を返還しなければならない。
  2 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、
    異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければ
    ならない。
上記の賃金には退職金は含まれません。
ただし、本人から要求があれば退職金も本人の希望どおり払うことが
良いでしょう。

2017年
4月27日

 【解雇】営業不振の社員を解雇したい

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 【解雇】営業不振の社員を解雇したい
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   今日は営業マンのA君の解雇について相談します。
中川:解雇とは穏やかではありませんね。
社長:A君は入社して7ヶ月です。
   まじめなのですがいまだに一件も契約を取れないのです。
   営業日報を見るとやる気が感じられません。
   このままだと将来も期待できません。
   それで解雇したいのです。
   解雇はいろいろ難しいことがあると聞いています。
   今回の場合は解雇しても良いでしょうか?
中川:普通は入社してどのくらいで契約がとれるように
   なるのですか?
社長:まあ、2ヶ月もあると契約がとれるようになります。
   
中川:そうですか。
   家族はどうなっていますか?
社長:35歳で配偶者と子がいます。
   転職を5回もしているので、気になっていたのですが
   以前の会社でも営業成績が悪くて退職したようです。
中川:で、A君にはどのような指導をしてきましたか?
社長:一通りの教育指導をしました。
   他の社員と同じです。
中川:どうしてA君は契約が取れないのでしょう?
社長:ヤル気がないのですよ。
   営業は気合いですよ。
   
中川:そうかもしれませんが、気合いだけでは...。
社長:A君の解雇に対して消極的ですね。
   解雇はだめなのですか?
中川:その程度の理由で解雇はムリです。
社長:無能な社員に足を引っ張られるほどの余裕は
   当社にありません。
   解雇出来ないなんてじょうだんじゃあありませんよ。
中川:解雇したら不当解雇だともめる可能性が
   あるのでそう言っているです。
   社長はお困りにならないようにと思って。
社長:改めてお聞きします。
   どうして解雇はだめなのですか?
中川:労働契約法という法律が最近できました。
   そこでは
   ちゃんとした理由がなければ不当解雇だとなっています。
社長:契約が取れないのはちゃんとした理由だと思いますが。
中川:社長からするとそうでしょうね。
   でも、契約がとれないのは本人の能力なのかどうか証明するのは
   難しいでしょう?
   それから会社は入社後どの程度A君を教育訓練したかも
   問われます。
   
社長:中小企業はそんなに教育訓練をみっちりとする時間の
   余裕はありません。
   一通りの教育訓練はしたつもりです。
中川:では、訴訟されることを覚悟で解雇したらどうですか?
社長:(ギク!)
   訴訟されるのがイヤだから相談しているのです。
   そんな突き放した言い方は冷たいですよ。
中川:でも、みっちりと教育訓練をしている余裕がないのでしょう?
社長:そうは言いましたが、訴訟されるのなら教育訓練をしますよ。
   それでもダメだったら解雇してもいいですね?
中川:あのう...。
   教育訓練をしても契約が取れないから解雇というのも短絡過ぎます。
社長:ああ言えばこう言う。こう言えばああ言う。
   いったいどうしたらいいの?
中川:それほど解雇は難しいのです。
   今回の場合であれば、試用期間中に判断すべきでした。
   試用期間中であれば正規従業員よりは解雇しやすいです。
   (ちゃんとした理由がなければ解雇はできません。念のため)
社長:でも、試用期間を超えています。
   
中川:本人と話し合うことですね。
   業績が他の社員より低いことは分かっているので
   話し合うことで本人が退職するかもしれません。
社長:妻子を抱えているのでそう簡単には退職をしないと
   思いますよ。
中川:その可能性が高いですね。
   改めてA君にたいする教育訓練計画を作り
   本人を教育訓練することです。
社長:余裕はありませんが訴訟されるくらないならやります。
   でも、それでも業績が上がらない場合は?
中川:配置転換や退職を本人と話し合うことです。
   退職をしない人を無理矢理解雇すると訴訟になる
   可能性がありますので、解雇は避けてください。
社長:しょうがないですね。
   自主的に辞めてもらうのが一番いいですね。
中川:そうです。
   解雇は最後の手段です。

(中川コメント)
解雇については労働契約法で次のように定められています。
(解雇)
第十六条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である
     と認められない場合は、その権利を濫用したものとして、
     無効とする。
2017年
4月26日

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  ・副業・兼業は「禁止」から「コントロール」へ
  ・副業・兼業についてのルール策定
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3.グループ経営に欠かせない持株会社の基礎知識
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                      (全8ページ)
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4.コンセッションで増加する公共インフラ民営化
  ・コンセッションとは
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5.注目を集める日本のオーガニック市場
  ・オーガニックの定義
  ・世界で拡大するオーガニック市場
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  ・日本のオーガニック市場の今後
  ・広がる日本のオーガニックビジネス
                      (全8ページ)

(中川コメント)
ご遠慮は無用です。
2017年
4月26日

 【残業代】年俸制の残業代

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 【残業代】年俸制の残業代
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   年俸制の残業の計算について質問します。
中川:はい、なんでしょう?
社長:年俸制であっても残業代を払わなければならないと言われました。
   本当ですか?
   
中川:年俸制の対象者と年俸制の内容によって払わなければならない
   ことがあります。
社長:年俸制の対象者と言いますと?
中川:労基法でいう管理監督者は残業代を払わなくてもいいので、
   管理監督者が年俸制の場合は残業代を払う必要はありません。
社長:そうなんですか。
   では、管理監督者でない場合は?
中川:その場合は年俸制の内容によります。
   御社の場合はどのような年俸制ですか?
社長:年俸額から賞与を差し引いた残りを12分の1したものを
   毎月払っています。
   たとえば年俸600万円の人は賞与120万円、残りの480万円を
   12ヶ月で割った40万円を毎月払っています。
中川:なるほど。
   であれば、残業代を払わなければなりません。
社長:でも、年俸額には残業代を含めています。
   だから、残業代を払う必要がないと思っていました。
   残業代込みで年俸額を決めているのですから問題ないと
   思います。
中川:40万円に残業代が含まれていることが明確になっていません。
   それから、残業代の計算は600万円を12ヶ月で割った50万円が
   残業単価算定の対象となります。
   
社長:えええ!
   どうしてですか?
   賞与分まで残業代の算定基礎にするのはあり得ないでしょう。
中川:御社の年俸制の決め方は賞与をまず確定して残りを12ヶ月で
   割っています。
   つまり、賞与は賞与ではないのです。
社長:意味が分かりません。
   賞与として払っています。
中川:賞与は会社業績によりそのつど決めるが一般的です。
   つまり、賞与額は変動します。
   賞与額が変動する場合は、賞与分を割増の
   算定基礎としなくてよいのです。
   でも、賞与額が変動するのであればそもそも年俸制の意味が
   ありません。
社長:つまり、弊社の賞与は変動しない、つまり賞与額が確定している
   から普通の手当のようなものだ。
   だから、残業計算をする場合は割増算定基礎に賞与も含め
   なければならないということですか?
   年俸制はあまり意味がありませんね。
中川:意味があるかないかは制度の作り方にあります。
   年俸制で残業単価が高くなるのがいやであれば
   意味がないでしょうが。
社長:廃止を検討します。
中川:そうですね。
   お手伝いをしましょう。

(中川コメント)
年俸に支給額が確定した賞与が含まれている場合は
賞与を含めた年俸の総額を12ヶ月で割ったものが残業単価の
算定基礎となります。
弊社では年俸制は推奨していません。